
長い梅雨が明け、猛暑が続く日本列島。
【参照】最高・最低気温分布予想(気象庁)
都内では30℃を超える日が相次ぎ、日中の最高気温が40℃近くまで上がる日もある。気温の上昇とともに比例して増えるのが、熱中症患者の数だ。2018年の6月~9月に熱中症で救急搬送された人数は9万2710人。2016年・2017年の同時期に救急搬送された人数は5万人弱だっただけに、倍近い数字となった。
【参照】平成 30 年度 消防庁における熱中症対策(総務省)
熱中症対策には水分/塩分のこまめな摂取はもちろんだが、体温上昇を抑えることも大切だ。特に屋外で数時間作業をする人たちにとって、健康面はもちろん、作業効率の点でも体温の上昇は抑えたいところ。
そんな中、「手持ち型扇風機」と並んで「ファン付きウエア」が最近注目を集めつつある。
そこで今回は、「ファン付きウエア」が本当に涼しいのかどうか、熱中症予防になり得るのかどうか、検証していく。
そもそも“ファン付きウエア”とは?
ファン付きウエアとは、扇風機のようなファンが取り付けられている作業服のこと。ファンが外気から空気を取り込み、服の内側に放出。放出された空気は背中や首元、両脇などを中心に体を冷やす仕組みとなっている。夏季の屋外作業や冷房のない部屋での作業時に向いている作業服だ。
本当に涼しいの? ファン付きウエアを着て真夏に引っ越しを手伝った!
「ファン付きウエアは本当に涼しいの?」という疑問にお答えすべく、ファン付きウエアを着て、真夏に引っ越し作業を手伝った。筆者が着ているのはミズノのファン付きウエア『エアリージャケット半袖』だ。
なぜ作業服で“ミズノ”?
“作業服”というと、国内外問わず有名なメーカーがたくさんあるのに、なぜ今回、筆者はあえてスポーツ用品メーカー・ミズノのファン付きウエアを選んだのか? その理由は引っ越し作業をする上での“動きやすさ”だ。『エアリージャケット半袖』には、動きやすさを追求した「ダイナモーションフィット」というウェア設計が採用されている。
動きやすさの秘密「ダイナモーションフィット」とは?
「ダイナモーションフィット」は3DCGや解剖学による動作解析・人間工学に基づき、動きやすさを追求したウェア設計だ。ミズノから発売されている、通常のスポーツウェアなどにはもちろん、『エアリージャケット半袖』などの作業服やスーツなどにも採用されている。
【参照】本当に着たまま野球ができるのか?ミズノが作ったビジネススーツの実力をガチ検証
作業開始! ファン付きウエアの実力は?
※稼働中のファン
この日、作業現場となった埼玉県某所の最高気温は、35℃を超える猛暑日となった。スイッチをオンにし、出力を最弱から徐々に上げていく。正直なところ気温35℃ともなると、最弱/弱では外気の高さが勝ってしまい、涼しさを感じることは難しかった。しかし出力を中/強としていくとウェア内にこもっていた熱気が一気に放出され、涼しさを感じられた。
ちなみに体温を下げるには、太い血管が通っている首の付け根や両脇の下を冷やすとよいらしい。『エアリージャケット』はちょうど、この3所を効果的に冷やしてくれるのだ。
出力最大時の『エアリージャケット半袖』。外気からとりこんだ空気が内側に放出されているため、作業服が全体的に膨らんでいる。一見すると作業をする上で動きづらそうだが、先述した「ダイナモーションフィット」によって、動きにくさを感じることはなかった。
見出しH3 『エアリージャケット半袖』の何時間使えるの?
バッテリーは、作業服の内側背面部(腰のあたり)の専用ポケットに収納する。重さは約280gなので、カバーを付けたスマホと同じくらいだ。作業の負担になるような重量ではない。充電式で容量は5800mAhあり、出力「強」でも約4時間連続で稼働する。
屋外はもちろん屋内でも快適! ただし出力は下げよう
引っ越し作業は屋内/屋外を行き来する。出力“強”の状態で冷房の効いた部屋に入ると、少し肌寒ささえ感じてしまうほどだ。寒暖差で体調を崩してしまう可能性もあるので、汗をかいた状態で室温の低い部屋に入る場合は、出力を下げたほうがよいかもしれない。
『エアリージャケット半袖』を着て真夏に引っ越し作業をしてみた結果……!
ミズノの『エアリージャケット半袖』を着て引っ越し作業をした結果、非常に涼しく、また動きやすいことがわかった。さすがに「全く汗をかかない」ということはないが、快適に作業を進められたことは事実だ。ファン付きウエアは、夏場の屋外作業時に便利といえるだろう。しかし、ファン付きウエアを着用する上で注意しなければならない点もわかったので、次項目で解説していく。
ファン付きウエア着用時の注意点は?
ファン付きウエアは涼しく、熱中症予防として有効な手段の1つといえるが、注意すべき点もある。
“声”に注意!
“声”や“音”が重要な作業現場では注意が必要。というのもファンの音が大きく、かつ風が首から上に吹き抜けるので、周囲の音が聞き取りにくいケースがあるからだ。実際、作業中に声をかけられても、何を指示されているのか分からないということが何度かあった。個々の聴力にもよるが、もし声や音が重要な作業現場で利用する場合は、出力を弱めに設定したほうがよいかもしれない。
“頭”に注意!
基本的にファン付きウエアは首までカバーしているものが多く、それより上……つまり頭部までカバーしているものは少ない。これはファン付きウエアの注意点というよりも、夏場の注意事項になってしまうが、屋外で作業する際はできるだけタオルや帽子を被るようにしよう。
“水”に注意!
作業服自体は撥水加工などが施されていることが多いが、バッテリーやファンまで防水性能が備わっているとは限らない。例えば農作業やガーデニング時に用いる際は、バッテリーなどが濡れないように注意しよう。
ファン付きウエアは熱中症対策には“アリ”だが“万能”ではない!
ファン付きウエアは夏場の屋外作業においてかなり有用なことがわかったが、ファン付きウエアを着たからといって、「絶対」に熱中症にならないわけではないのを忘れないでほしい。
これはファン付きウエアに限った話ではなく「○○をしたから絶対に安全」という保障はどこにもないということだ。とはいえ対策を行うことで熱中症の可能性は減らせる。しっかりと対策をして、快適かつ健康的に夏を過ごそう。
『@DIME』ではほかにも様々な熱中症対策を紹介している。
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ミズノ『エアリージャケット半袖』製品情報
価格
〇本体価格:8532円(税込み)
〇ファン/バッテリーセット店頭販売予想価格:1万4904円(税込み)
サイズ:S~2XL
カラー:ベイパーシルバー/ディープネイビー
バッテリー: リチウムイオンバッテリー(5800mAh)
〇充電時間:約6時間
〇出力:4段階(強/中/弱/最弱)
〇強設定時: 連続稼働時間約4時間
〇最弱設定時: 連続稼働時間約20時間
ファン/バッテリー重量:約540g
ミズノが発売しているファン付きウエア。ファンから取り込んだ空気は首前後/腕から通り抜ける。人間工学を応用したウェア設計「ダイナモーションフィット」によって追及された動きやすさで圧迫感を軽減。スポーツ用品メーカーならではの工夫が施されている作業服だ。
【参照】『エアリージャケット半袖』
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