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音楽に術前の患者のストレスを軽減する効果、米ペンシルベニア大学研究

2019.08.17

音楽を聴くことで術前のストレスが軽減か

音楽には手術を控えた患者の気持ちを落ち着かせる効果があり、その有効性は医薬品に匹敵する可能性があることが、米ペンシルベニア大学のVeena Graff氏らの研究で示された。

術前の末梢神経ブロックを受ける前に患者に音楽を聴かせることで、鎮静薬と同程度の効果が得られたという。この研究結果は、「Regional Anesthesia and Pain Medicine」7月18日オンライン版に発表された。

末梢神経ブロックは手術を行う部位の感覚を一時的に麻痺させるために行われている。手術を控えた患者の多くは不安を抱え、ストレスホルモンの分泌量が増加する。

このことは術後の回復を遅らせる要因にもなり得る。そのため、術前にはミダゾラム(米国での商品名Versed)などのベンゾジアゼピン系抗不安薬を投与して患者の気持ちを落ち着かせようとすることが少なくない。

しかし、こうした鎮静薬には呼吸器障害や血流障害、攻撃性や敵意などが強く現れるなどの副作用を引き起こすことがあるという。

Graff氏らは今回、18歳以上の成人患者に対して末梢神経ブロックの前に音楽を聴かせる介入またはミダゾラム投与のいずれかを行い、それぞれの鎮静作用を比較検討した。

対象者157人のうち、80人をミダゾラム1~2mgを注射する群(ミダゾラム群)、77人を末梢神経ブロックの前にノイズキャンセリング機能が付いたヘッドホンでMarconi Unionの“Weightless”シリーズを3分間にわたって聴かせる群(音楽群)に割り付けた。

“Weightless”は“世界で最もリラックスできる曲”の一つと考えられているという。なお、ミダゾラム群では、投与後、薬が最大効果を発揮するまで3分空けてから、末梢神経ブロックを行った。

その結果、ミダゾラム群と音楽群で同程度の不安軽減効果が認められた。しかし、ミダゾラム群と比べて音楽群では、患者の満足度が低かった。

この点についてGraff氏らは、「音楽群に割り付けられた患者では、自分が聴きたい曲を選べなかったことが満足度を低下させた可能性がある」との見方を示している。

また、患者と医師の双方から、気持ちを落ち着かせるために音楽を使用すると、意思疎通を図るのが難しかったとの声が上がっていた。これは、音楽群でヘッドホンを使用したことが影響したものとGraff氏らは考えている。

Graff氏らは今回の研究結果について、「全般的には音楽がミダゾラムに代わる局所神経ブロック前の介入法になり得ることが示された」と説明。

そして、「今回、音楽による介入には意思疎通が困難になるというデメリットがあることも示された。今後は、他のタイプの音楽や音楽を聴く手段について検討することで、このデメリットを上回るメリットが示されるかどうかを検討していきたい」と述べている。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://rapm.bmj.com/content/44/8/796

構成/DIME編集部

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