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中国の研究チームがジカ熱やデング熱に感染させるヒトスジシマカの根絶に成功

2019.08.16

中国の研究チームがヒトスジシマカの根絶に成功

ジカやデング、西ナイルウイルス、チクングニアなどのウイルスは、蚊を介してヒトに伝播する。

中山大学(中国)の研究グループは、生殖能力を奪う細菌に雄の蚊を感染させ、雌の蚊には放射線を照射して不妊化する手法を組み合わせることで、ヒトスジシマカをほぼ根絶できたという実験結果を「Nature」7月17日オンライン版に発表した。

研究を行った同大学/米ミシガン州立大学のZhiyong Xi氏によれば、この手法により、雌のヒトスジシマカの個体数を最大94%減らすことに成功したという。

今回の実験手法は、蚊の生殖能力を妨げるように働く「ボルバキア属」と呼ばれる細菌を用いたもの。

論文の付随論評を執筆した米ジョージタウン大学生物学教授のPeter Armbruster氏によれば、特定のボルバキア菌株に感染した雄は、別の菌株に感染した雌とはうまく繁殖することができないという。

今回の研究では、まず、実験室内で3種のボルバキア菌株を保有するヒトスジシマカのコロニーを繁殖させた。

次に、これらのボルバキア菌株を保有する雌が誤って放たれた場合に備えて、雄の蚊の生殖能力を損なわない程度の低線量の放射線を照射して雌だけを不妊化した。

さらに、中国の広州でデング熱の感染率が最も高い2つの実験区域で、これらのヒトスジシマカを野外に放ち、2年間観察した。

「ボルバキア菌株を保有する雄が野生の雌と交尾しても、不合和を起こして雌が産んだ卵は育たない。この手法は、自然の中で雄に雌を見つけさせ、繁殖するのを防ぐという作戦だ」とArmbruster氏は説明する。

その結果、その地域で捕獲される雌の個体数が83~94%減ったほか、最大6週間にわたって雌が発見されない期間もあった。

これらの結果から、Xi氏は「ジカ熱やデング熱など蚊が媒介するウイルス感染症は理論上、この手法で制御できる」と述べている。

米ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのAmesh Adalja氏によると、米国では少なくとも1社の企業が、既に蚊を駆除するのに同様の細菌ベースの手法を活用しているという。

また、同じ菌株に感染した雄と雌の蚊の両方が放出されると繁殖が可能となるため、これまでは機械で雄と雌を分離した後、雌が完全に排除されたかどうか再確認する必要があった。

そのため、今回の研究は、3種のボルバキア菌株と放射線照射を併用してプロセスを簡略化した点が革新的なポイントとして挙げられるとしている。

さらに、「この手法では感染症を媒介する蚊のみを標的とするため、同じ地域に共生する害のない種の蚊への影響はない」とXi氏は付け加えている。

なお、今回の実験では、感染した雄と野生の雄の比率を5対1とすることを目標とした。「同様の手法が米国の大都市でも実現できるかどうかは、今後さらに研究を重ねて検証する必要がある」とArmbruster氏は述べている。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1407-9

構成/DIME編集部

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