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樹木の多い地域に住むとメンタルに好影響、オーストラリア・ウーロンゴン大学研究

2019.08.13

樹木の多い地域に住むことは精神的な健康に良い

オーストラリアの都市部に住む約4万7,000人の男女を6年間追跡した研究から、樹木が多い地域に住んでいる人は、そうでない人に比べて幸福感が強く、健康状態も良好であることが明らかになった。

葉の茂った樹木に覆われ、日陰が多い地域に住む人では、追跡期間中に心理的苦痛を経験したとする報告が少なく、全般的な健康状態も良好だった。

一方、草地の多い地域の住民では、コンクリートに覆われた地域の住人よりも健康状態が悪いことも分かったという。研究結果は「JAMA Network Open」7月26日オンライン版に発表された。

この研究は、ウーロンゴン大学(オーストラリア)のThomas Astell-Burt氏らが実施したもの。2006~2009年にオーストラリアの3つの大都市に住む45歳以上の男女4万6,786人(平均年齢61歳、女性53.8%)を対象に、平均で6.2年間追跡した。

全ての対象者は追跡期間を通して同じ地域に住み、研究の開始時と終了時には同じ質問項目の健康調査に回答した。

その結果、自宅から半径1.6km区域内の面積の30%以上を樹木が占める地域に住む人は、自宅周辺に樹木が少ない人と比べて、緊張感や絶望感、疲労感といった心理的苦痛の症状を新たに経験する確率が約3分の1低いことが分かった。

さらに、自分の全般的な健康状態を低く評価する確率も、樹木の多い地域に住む人では約3分の1低かったという。

この報告を受け、専門家の一人で米ワシントン大学のKathleen Wolf氏は「並木道や公園がある環境に住むと、ウォーキングなどの運動をする機会が増え、また、自然に触れることで日常的なストレスが軽減したことが寄与したのではないか。さらに、こうした環境の住人は、騒音や自動車の排ガスによる大気汚染への曝露から守られている確率が高い可能性がある」と指摘。

その上で、「樹木がある住環境は、われわれのウェルビーング(心身が健康で幸福な状態)にとって重要だ」と述べている。

また、Wolf氏は、今回の研究結果により、緑地と良好な健康状態の関連を示すエビデンスが新たに集積されたとし、今年の6月には週に2時間以上、屋外で過ごす人は、屋内で過ごすのを好む人と比べて身体的および精神的な健康度が高いことを示した英国のグループの研究を紹介している。

さらに、同氏によれば、今回報告された研究は、ある時点の健康状態の評価に基づくものではなく、長期にわたり追跡した点でも信頼性が高いという。

ただし、当然ながら、緑地の多い地域に住む人の幸福度や健康度には、多くの要因が影響を与え得る。

そこで、研究グループは世帯収入や教育レベル、婚姻状況などの要因を考慮して分析したが、自宅周辺に樹木が多いことと精神的および身体的な健康度の高さとの間には同様の関連が認められたとしている。

一方、今回の研究では、草地の多い地域に住んでいると心理的苦痛や健康状態の悪化を招きやすいことも示された。

付随論評を執筆したワーヘニンゲン大学研究センター(オランダ)のSjerp de Vries氏は、理由は明らかになっていないとしながらも、「草地とは異なり、樹木が多い環境は歩きやすいのでは」との見方を示す。

また、樹木が発散する、ヒトの免疫機能を高めるとされる「フィトンチッド」という化学物質が有益な可能性も考えられるとしている。

de Vries氏は、より健康な人ほど樹木の多い地域に住むことを選んだ可能性があると指摘する一方で、「これまでの研究では、高所得層と比べると、居住地の選択肢が限られる低所得層において、特に緑地の多い地域に住むことが健康に良い影響をもたらすことも示されている」と説明している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2739050

構成/DIME編集部

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