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中年期から初老期の肥満で脳の老化が早まる、米マイアミ大学研究

2019.08.11

中年期から初老期の肥満で脳の老化が早まる?

中年期から初老期にかけて過体重や肥満だった人は、脳の老化が10年以上も早まる可能性があることが、米マイアミ大学医学部のMichelle Caunca氏らの研究から明らかになった。

この期間中にウエスト周囲長が大きく、体格指数(BMI)が高い人は、加齢に伴い、記憶や思考などで重要な役割を果たす大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる確率が高まることが分かったという。研究の詳細は「Neurology」7月24日オンライン版に掲載された。

Caunca氏らは、平均年齢64歳の男女1,289人を対象にBMIとウエスト周囲長などを測定し、平均で約6年後に脳MRI検査で評価した大脳皮質の厚みや脳容積との関連を調べた。

対象者の約4分の1はBMIが30以上の肥満者で、約半数はBMIが25以上30未満の過体重者であった。

分析の結果、高血圧、飲酒や喫煙の習慣など大脳皮質の厚みに影響する因子で調整しても、BMIの高さは大脳皮質の菲薄化と関連することが分かった。

また、BMIが1単位高まるごとに、過体重者では大脳皮質が0.1mmずつ薄くなり、肥満者では0.2mmずつ薄くなることも示された。

さらに、ウエスト周囲長が大きいほど大脳皮質は薄くなったほか、より弱い関連ではあるが、BMIとウエスト周囲長はいずれも脳容積の萎縮と関連していることも明らかになった。

Caunca氏によれば、このような関連は65歳未満の人でより強く認められたという。「今回の研究では、特に中年期から初老期の体重は、その後の大脳皮質の薄さと関連していることが示された」と同氏は説明している。

論文の共著者で同大学Evelyn F. McKnight脳研究所のTatjana Rundek氏は、同誌のニュースリリースの中で、「一般には、加齢に伴い、大脳皮質は10年当たり0.01~0.10mm薄くなるとされる。

しかし、われわれの研究からは、中年期から初老期に過体重や肥満であると脳の老化が加速し、10年以上も老化が早まる可能性が示唆された」と述べている。

ただし、この研究は過体重が大脳皮質の菲薄化の原因であることを証明するものではなく、これらの関連がみられた理由も明らかになっていない。

しかし、Caunca氏は「肥満がもたらす慢性的な炎症状態が脳の健康に悪い影響を与えている可能性がある」と指摘。

加えて、「肥満によるインスリン抵抗性などの代謝面での変化が、大脳皮質における代謝低下を引き起こしているとも考えられる」との見方を示している。

一方、今回の研究には関与していない米マウントサイナイ医科大学アルツハイマー病研究センターのMary Sano氏は、「大脳皮質が薄くなったからといって必ずしも認知症になるわけではないが、大脳皮質の菲薄化は認知機能の低下と関連する可能性がある」と述べている。

その上で、「体重の増加が認知症の直接的な原因であるのか、あるいは認知機能の低下をもたらすだけなのかは不明だが、いずれも重要であることに変わりはない」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://n.neurology.org/content/early/2019/07/24/WNL.0000000000007966

構成/DIME編集部

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