クチコミ主体で人気に火がつきラインアップを拡充
〈ボックス〉はSサイズとMサイズ、〈ファイル〉はB5サイズとA4サイズと、それぞれ2サイズで展開。中には一時欠品を起こしたものもあった。
大きく注目された格好だが、同社はとくに目立ったプロモーションなどをしていないという。購入したユーザーがSNSなどで話題にしてクチコミが拡散したことや、クチコミを受けてメディアで紹介されたことで、人気に火がついた。
人気を受け、同社はラインアップの追加を決定。2017年1月に〈ペンスタンド〉〈ウォールボックス〉〈ドキュメントファイル〉〈レターケース〉〈収納カバン〉を発売する。
ペンスタンド。筆記用具の収納に特化したもので、開くとポケットが取り出しやすい角度に傾斜する
ウォールボックス。背面にマグネットを内蔵し、使うときに開き冷蔵庫などに貼り付けて使う。サイズはSサイズとMサイズの2種類を用意
ドキュメントファイル。書類収納を目的に開発された。B6サイズ、B5サイズ、A4サイズの3種類を用意しているが、B6サイズ以外は用紙ポケットのほか、筆記具や小物の整理に使える引き出しケースが付属している
レターケース。本体を台形構造にし、3段までスタッキングすることが可能。本体と引き出しの間に隙間を設けたことにより、引き出しを収納した状態でも書類がしまえる。A5サイズとA4サイズの2種類を用意
収納カバン。子どものリビング学習用に開発されたもので、筆記具やノートなどの小物類の収納に適している。シリーズで唯一、ポケットを取り出すことができ、サイズは2種類用意している
ラインアップの追加は当初から計画されていたものではなく急きょ決まったことだった。「売れるかどうかわからなかったので、様子を見ながらの販売になったのですが、発売直後から好評だったことから、社内・社外の両方から、『ラインアップを増やしてほしい』という声を多くいただきました」と笠原さんは話す。
また、ユーザーは男性が割と多いという。文房具は女性の関心が高く、ブームをけん引しているのも女性だが、開くと大小様々なポケットを持ったものに変形するギミックが男性ウケしているのだろう。寺岡さんも「これまでの収納用品では、男性からの声はあまり聞こえてこないのですが、『ライフスタイルツール』に関しては、男性からの声もよく聞こえてきます。そういう意味では珍しいです」と話す。
取材からわかった『ライフスタイルツール』のヒット要因3
1.他に類を見ない新規性
開くと大小様々なポケットが複数出現。そして、使い終わったら閉じるだけ。中には棚や引き出しにしまえるものもある。このような従来の収納用品になかった新規性が高く支持された。
2.SNSでのクチコミの拡散
新規性が高いだけでなく実用的なため、商品力が高い。気に入ったユーザーがSNSなどでクチコミを拡散。商品の存在が一気に広まりユーザーが拡大した。
3.男性ユーザーの取り込み
収納用品に限らず文房具は女性の関心が高く、ブームをけん引している。そのような中にあって、開くと大小様々なポケットが現れるというギミックが男性にウケ、男性ユーザーも多数獲得できた。
箱やファイルを開いてみたら、そこから多くのポケットが現れるとは普通は思わないだろう。だから、『ライフスタイルツール』を開くと、多くの人は驚くのではないだろうか? 何かしらの驚きを提供できる商品は、販売面でいい成績を残せるものである。
製品情報
https://www.nakabayashi.co.jp/product/category/04/02/04/
文/大沢裕司
こちらの記事も読まれています