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【開発秘話】シリーズ累計60万個出荷しているナカバヤシの収納グッズ「LIFESTYLE TOOL」

2019.08.04

■連載/ヒット商品開発秘話

 ナカバヤシが2016年4月に発売した『LIFESTYLE TOOL(ライフスタイルツール、以下同)』の売れ行きが好調だ。

『ライフスタイルツール』は小物の整理に最適な紙製の収納用品。一見すると、普通の紙箱に見えるが、開くと様々なサイズのポケットが現れるのが特徴だ。使いたいときに開き、終わったら閉じればいいので、散らかりやすいデスク周りをスッキリ整理することができる。現在、〈ボックス〉〈ファイル〉など、全7タイプを用意。これまでにシリーズ累計で約60万個を出荷している。

ボックス

ファイル

2つの企画・提案を1つにまとめてシリーズ化する

『ライフスタイルツール』が誕生した背景には、一般的な樹脂製収納用品の競争の激しさがあった。商品企画を担当した企画部 リーダーの笠原広平さんは、次のように話す。

「当社は収納用品として主に、事務用の樹脂製ファイルボックスやレターケースを展開していました。樹脂製の収納用品は競合他社が多く、価格競争に陥りがちな上に、差別化が難しいです。このため、社内では以前から、新しい収納用品が求められており、この声を受けて企画したのが、『ライフスタイルツール』です」

 企画が立ち上がったのは2015年の春頃。紙を使うことにしたのは、見た目の印象を変えるほか、形状の自由度を高めるためであった。

 笠原さんが企画・提案したのは現在発売中の〈ボックス〉だが、社内に偶然、似たようなアイデアの収納用品を企画・提案していた人がいた。

 それは、笠原さんと同じ職場で商品企画を担当しているリーダーの寺岡美里さん。寺岡さんが企画・提案したものは、使い終わったら閉じて本棚に収納できるファイルタイプの収納用品で、現在の〈ファイル〉に相当する。

 使用シーンは異なるものの似たようなアイデアだったことから、同社は両者の企画・提案を1つにまとめてシリーズすることにした。笠原さんが〈ボックス〉、寺岡さんが〈ファイル〉の開発を担当することになった。

机の上と中にあるモノを調べてポケットの大きさなどを決定

 開くと様々なサイズのポケットが現れるというアイデアを、笠原さんはジュエリーボックスやプロが使うメイク道具などから得ていた。「以前から変形するものができればと思っていたこともあり、アイデアとして採り入れてみました」と話す。

 一方の寺岡さんは、〈ファイル〉のアイデアについて、「本にモノを入れたい、という視点から考えた」と話す。「レターケースのようにヨコに収納するものだと下のモノが取りにくくなりますが、タテに収納し使い終わったら棚にしまえるものにすれば、開いたときに何がどこにしまってあるかがすぐわかりますので、一覧性に優れると考えました」と続けた。

ナカバヤシ
企画部 リーダー 笠原広平さん
同 寺岡美里さん

 ただ、素材の紙は成形の自由度が高すぎる。そのため、何を、どれくらい持っているかを調べないと、ポケットのサイズや数、配置が決められなかった。そこで、SNSで机の上や引き出しの中を公開している画像を調べたほか、自社の社員の机もチェック。机の上のモノと引き出しの中のモノの両方を調べ、机の上に置いているものを基本にして何を、どれだけ収納するかを決めてから、ポケットのサイズ、数、配置を決めることにした。机の上と引き出しの中を調べたのは、SNSを含めると約100件近くにのぼる。

ポケット同士が干渉しないよう微調整を繰り返す

 収納できるモノの種類と量をある程度決めたら、「ホワイトモデル」と呼ぶ試作品を手づくりして検証。無理なく開閉できるかどうかをチェックした。

「紙で手づくりすると、ちょっとした誤差でポケットがぶつかってしまったりします。そのため、ポケットとポケットのクリアランス(間隔)には余裕を持たせることにし、少しずれたぐらいではポケットが干渉しないようにしました」(笠原さん)

開発時につくったホワイトモデルの数々

 ホワイトモデルで手直ししたものを元に、協力工場で量産時に使う素材で試作。ここでもポケット同士の干渉が起きるので、微調整を繰り返した。「本当はクリアランスがほぼないものをつくりたかったのですが、協力工場からは『これはさすがにできない』と言われてしまいました」と笠原さんは振り返る。

clearance
ボックス完成品(右)とホワイトモデル(左)のポケットとポケットのクリアランスの比較。完成品はクリアランスが十分確保されているが、ホワイトモデルはほとんどクリアランスがないのがわかる

 また、きちんと閉まるよう、本体にマグネットを内蔵しているが、サイズや位置がなかなか決まらなかったという。協力工場につくってもらった試作品を使い、位置の調整などを行なった。

 マグネットは当初、使う予定ではなかったが、使っていくうちに少し開いてくるなどしたことから採用することにした。カチッと閉まる点は社内では高評価。「皆マグネットが好きなのかな? と思えるぐらい社内では好評でした」と寺岡さんは話す。

〈ファイル〉の開発でも〈ボックス〉同様の課題があったが、固有の課題としては、棚から引き出しやすくする背表紙の穴づくりがあった。最初は、ポケットを横幅ギリギリまで配置したため、背表紙に穴がつくれなかった。そのため、ポケットを横幅目一杯ではなく少し小さくし、背表紙に穴をつくるスペースをつくった。

 また、〈ファイル〉は開くとスペースを取ることから、上から開けて取り出せるようにしているが、上部のフタを開けやすくするために切り欠きを入れている。このアイデアは、ホワイトモデルをつくって検証しているときに発案されたと。

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