人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

家は今が買い時?住宅ローンの金利はどこまで予想できるのか

2019.08.04

近年の低金利が住宅購入の後押しになっているのは間違いない。ただ、1000万円単位でローンを組む、住宅ローンの実施には慎重にならざるを得ない。

ここでは、過去の金利の推移を元にして、あくまで参考ではあるが今後の予想をしてみる。

住宅ローンの金利の推移を1984年まで過去にさかのぼってみる。

変動・固定ともに金利が1%を切る住宅ローンも珍しくない昨今だが、過去をさかのぼると驚くような高金利で住宅ローンが組まれていた。

表は住宅金融支援機構の「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」だ。平成7年前後以降は低位安定の状況が続いているが、それ以前、特に平成2年ごろは8%を超す住宅ローンも存在した。

出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」より転載
※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)を掲載。なお、変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載。
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません。

【参考】住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」

仮に2000万円、返済期間35年の住宅ローンを元利均等、ボーナス払いなしで組んだとしよう。8%の金利だと、支払総額は約6000万円になる(手数料、保証料などは考慮しない)。

2.475%だと、約3000万円。直近店頭では1%を切る住宅ローンも盛んに取りだたされているが、もし1%なら約2370万円の支払いで済む。

35年のローンの支払い回数は420回になり、支払総額をそれぞれ420で割ると、

8%=約14万3000円
2.475%=約7万2000円
1%=約5万7000円

と、同じ2000万円の借り入れでも、月々の支払額が3倍近く変動するのだ。

住宅ローン金利は上昇リスクを伴う

これだけの低金利で借りられるのなら、家を買ってみようと思う人が増えるのは当然だろう。しかし、金利は変動するのが常だ。上記表をもう一度見てもらうとわかるが、平成17年から20年ごろにかけて金利が上下している。今の金利で将来支払い続けられるか、それは経済動向に左右される。

住宅ローンの金利は東京オリンピック後、どうなると予想されているか?

ここで少々、金利について考えてみる。

住宅ローンや自動車ローンなどの金利は「名目金利」といわれる。これに対して「実質金利」というものがある。

実質金利=名目金利ー予想物価上昇率

という式があり、この「実質金利」を捉えることが、重要なのだ。

例えば、住宅ローンが1%で、予想される物価上昇率が0.7%だとする。その場合の実質金利は1%-0.7%=0.3%となる。

一方、平成初期のように8%の住宅ローンだとしても、物価上昇率が10%であるなら、実質金利は8%-10%=-2%となる。

つまり、お金を年利8%で借りたとしても、2%分マイナスとなる。これならお金を借りた方が得になる。

目前の金利(名目金利)だけで「低金利」と判断するのは必ずしも正解ではない。物価上昇率を考える必要があるのだ。

東京オリンピックを迎えるにあたり景気の良い話を耳にする。しかし、物価上昇率が急激に上がっているわけではない。

日本銀行が2019年7月に発表した「経済・物価情勢の展望」によると、2019年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)は+0.8〜1.1%の見込み。2020年度で+1.1〜+1.4%、2021年度で+1.3〜+1.7%を見込んでいる。(「2019〜2021年度の政策委員の大勢見通し」)

仮に2021年度を+1.3〜+1.7%の中間値、+1.5%だとしても、2019年の見通しが+0.8〜+1.1%であることから、最大で+0.7%、最小だと+0.4%程度しか押し上げ要因がないと見込まれている。

あくまで予想ではあるが、ちまたで言われるような大幅な金利上昇は考えにくいのが現状だろう。

【参考】日本銀行「経済・物価情勢の展望」2019年7月

住宅ローンの金利、10年後を予想すると

結論から言うと、10年後の予想などわからない。元も子もないようだが、事実だ。しかし、推測としては少子高齢化社会の日本で、大幅な経済成長を望むのは無理があるかもしれない。

実際、日銀はインフレ率2%の達成を目標としているが未達が現状だ。また、IMF(国際通貨基金)の2019年7月世界経済見通しでも、世界経済の成長率は2019年で3.2%、2020年は3.5%へ回復するとしているが、2019年4月の予想よりも0.1%の下方修正がされている状況だ。

10年後といえば固定金利の見直しなどがある住宅ローンも多く、不安がるのも当然だろうが、今からの見通しでは住宅ローンの金利がかつての8%や10%になるといった事態は考えにくいかもしれない。

ただし、現状の住宅ローンは、店頭価格からさらに2%程度引かれ、キャンペーン価格で0.4%前後というものもあるようだ。これをベースに考えて10年後に当てはめるのも無理があるだろう。

そこで、日銀の考える2%のインフレ率に+1%〜2%程度を加えた3〜4%程度の金利が、10年後の上昇リスクのターゲットゾーンだと考えればリスクヘッジにつながるかもしれない。

前述した2000万円借り入れを想定し、金利を4%とすると35年の住宅ローンでの総支払額は約3700万円((手数料、保証料などは考慮しない)となる。

それを35年間で割ると約8万8000円を月々支払うことになる。1%の金利なら約5万7000円の支払いなので、3万1000円の支払い増。この程度のリスクは想定しておくべきだろう。

しかし、金利上昇がさらに進む可能性があるので、あくまでリスクヘッジの参考にとどめてほしい。ただいえることは金利が低いからといって、フルローンで収入に見合わない住宅ローンを組むと、将来の支払いが滞るリスクがある。これは念頭においていただきたい。

住宅ローンの金利は固定がいいの? 変動がいいの?

現在、住宅ローンは0.4%前後の商品もある。借りる側としては金利は低い方がいいに決まっているが、将来の金利上昇リスクを考えると、借り入れの100%を変動金利に設定するのはリスクが高いかもしれない。また、固定金利の場合、金利低下リスクもあるのだが、2019年7月末現在、三菱UFJ銀行は固定10年のプレミアム住宅ローンを0.59%で提示している(店頭表示金利は年3.19%)。それを考えれば、下げ余地は少ないだろう。固定金利100%にするのも正解の可能性がある。

それでいうと、変動金利の比率を0%〜50%程度にし、残りを固定金利の住宅ローンで組むというのも、ポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)としてありかもしれない。

もちろん、住宅ローンは金利が低い時に借りると有利だ。しかし、住宅や土地の価格は相対的で、もしかしたら高値で購入してしまう可能性もある。

しかし、不動産価格の推移と住宅ローン金利の推移、双方を見極めつつ、収入や家族構成などに適した住宅が入手できることを願う。

※データは2019年7月下旬時点での編集部調べ。
※本記事は住宅ローンを推奨する目的はありません。あくまで自己責任・自己判断でご利用下さい。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/中馬幹弘

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年11月15日 発売

DIME最新号の特別付録は「スタンド一体型簡易スマホジンバル」!今年から5年先のトレンドまで丸わかり!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。