
『冷凍食品』は長らくスーパーなどでの特売の対象となるなど厳しい価格競争が続いてきた。ところが、共働きや単身世帯が増加して、高価格でも家事の負担軽減につながる便利な商品へのニーズが高まり、高価格帯の商品の販売が好調だ。
こうした動きを受け、コンビニエンスストアなどは取り扱い商品を増やしたり、メーカーは新製品開発を活発化させている。
そんな今後の動向が注目される「冷凍食品」のマーケットレポートを三井住友DSアセットマネジメントが公開したので紹介しよう。
【ポイント1】『冷凍食品』は高価格商品中心に消費が拡大
『冷凍食品』の消費が拡大している。日本冷凍食品協会によれば、2018年の消費金額は10年前と比べ20%以上増加。中でも比較的高価格の『冷凍食品』が好調だ。
背景には共働きや単身世帯が増加して消費者の意識が変化してきたことがある。『冷凍食品』の調理の手間が省け、主食にもおかずにもできる特性が消費者のニーズに合致した。
また美味しい商品の増加も拡大の一因となった。メーカー、流通サイドともに今が拡大の好機とみて高価格商品への取り組みを一段と強化している。
【ポイント2】小売り、メーカーともに高価格商品への取り組みを強化
セブンーイレブン・ジャパンでは『冷凍食品』の売上がこの10年で約5倍に拡大した。2018年秋から、『冷凍食品』を強化する店舗レイアウトの見直しを進めており、2019年度には新店と既存店合わせて、売り上げが伸びている『冷凍食品』などの売り場を広げた店舗を6,000店に増やす計画だ。
2018年9月に『冷凍食品』を発売した良品計画は「もち麦ごはんの枝豆塩昆布おにぎり」5個で490円、ニチレイフーズの女性向け冷凍弁当「ウーディッシュ」は一品約650円など、『冷凍食品』関連各社は高価格商品を発売、総じて想定以上の売上となっている。
【今後の展開】高価格帯の市場の拡大・定着に期待
消費が力強さを欠き根強い低価格志向があるなかで、共働きや単身世帯の増加などによる高価格帯市場拡大への期待が高まっている。高機能の洗濯機など白物家電や『冷凍食品』などがこれに該当する。
長らく特売などで激しい価格競争が続いてきた『冷凍食品』はこうした追い風をいかして、安売りから脱して、高価格帯の市場を拡大、定着させていけるか各企業の商品戦略など取り組みが注目される。
※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。
関連情報:https://www.smd-am.co.jp/
構成/DIME編集部