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パソコンやゲームを続けることで記憶力低下を回避できる可能性、米メイヨー・クリニック研究

2019.07.28

脳年齢はパソコンやゲームで維持できる?

年齢を重ねても、パソコン操作やゲーム、社会参加などを通じて脳を活性化させていれば、記憶力の低下を回避できるかもしれない。

そんな研究結果が、米メイヨー・クリニックの精神科医であるYonas Geda氏らにより示された。

加齢に伴う記憶力の低下は、アルツハイマー病などの認知症の前段階にみられる軽度認知障害(MCI)の兆候の一つだ。

しかし、Geda氏らによると、脳を働かせ続けることで明晰な状態を保つことができる上に、年齢に関係なく効果が得られるという。詳細は、「Neurology」7月10日オンライン版に発表された。

Geda氏らは、研究開始時にMCIがなかった70歳以上(平均年齢78歳)の男女2,000人を対象に、中央値で5年間追跡。

研究参加者は、50~65歳時(中年期)および66歳以降(高齢期)に行っていた脳を刺激する活動(読書、パソコン操作、社会活動、ゲーム、クラフト活動)に関する質問に回答したほか、5年間にわたって15カ月ごとに思考力と記憶力の検査を受けた。この期間に532人がMCIを発症した。

これらのデータをGeda氏らが解析した結果、中年期にパソコンを使用していた人では使用していなかった人に比べ、MCIを発症するリスクが48%低かった。

同様に、66歳以降にパソコンを使用していた人ではMCIリスクが30%低く、中年期および高齢期にパソコンを使用していた人では37%低いことも示された。

また、友人と交流したり、映画を観に行ったりするなど社会活動の機会がある人や、ゲームを楽しむ機会がある人では、MCIリスクが20%低かった。クラフト活動では、高齢期でのみMCIリスクが42%低下していた。

そのほか、こうした頭を使う活動の種類が増えるほどMCIを発症するリスクは低下することも示された。例えば、頭を使う活動の機会が全くない場合と比べて、2種類の活動で28%、3種類の活動で45%、4種類の活動で56%、5種類の活動で43%のリスク低下が認められた。

なぜ、頭を使っていれば認知機能が低下しにくくなるのか。現時点でその理由は不明だが、Geda氏は「頭は使えば使うほど脳がポジティブに反応するようだ」と話す。

また、「頭を使う活動の機会が多い人は、運動習慣や健康的な食習慣など他の行動面でも優れている可能性がある。こうした習慣は脳の健康に良い影響を与える」と説明している。

一方、論文の筆頭著者である同クリニックのJanina Krell-Roesch氏は、この研究について「観察研究であるため、頭を使う活動とMCIリスクに関連が認められたにすぎない」と説明。こうした活動でMCIを予防できることが証明されたわけではないとして、慎重な解釈を求めている。

ただし、Geda氏は「70歳以上になっても頭を使う活動に取り組むことは有益だ。今回の研究では何歳になってもこうした活動を始めるのに遅すぎることはないことが示された」と付け加えている。

今回の報告を受け、この研究には関与していない専門家の一人で米アルツハイマー病協会のHeather Snyder氏は「加齢に伴い衰える脳の健康を維持し、認知機能が低下するリスクを低減する方法はあることを示すエビデンスは増えつつある。

今回の研究結果も、それらのエビデンスに一致するものだ」とコメント。また、「可能であれば脳の健康は死ぬまで維持したいものだ。精神的にも社会的にも刺激に富んだ多様な活動に、生涯取り組んでいくことが重要だ」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://n.neurology.org/content/early/2019/07/10/WNL.0000000000007897

構成/DIME編集部

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