
夏本番となるこれからの季節、夏季休暇を利用して海外旅行へ出掛ける人も増えていくことだろう。その際、現地にて窃盗や詐欺、事故などと共に注意したいのが、違法ドラッグの「運び屋」に仕立てられるというトラブルだ。
最悪の場合、死刑判決が下ったケースもあるこのトラブルに巻き込まれないためには、どのような対処法が必要なのか。また、帰国後に逮捕されてしまった場合どうするべきかについて、今回、紹介していきたい。
海外旅行者数は年々増加傾向
2018年末に内閣府の景気動向指数研究会は、2012年12月を起点とした日本の景気拡大が長期間続き、高度経済成時代の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目になったと発表した。
それに伴い、2018年の日本人の海外旅行者数は約1900万人と過去最高を記録。2019年はそれ以上が見込まれるなど、海外旅行者数は年々増加傾向にある。
月別の海外旅行者数を見てみると、8月は他の月に比べて極めて多くなっており、夏休みを活用して海外旅行を計画する人が多いことが分かる。
また、今年10月の消費増税を前に、駆け込み需要として、8月の旧盆を含む夏休みや、9月に2度ある3連休を活用し、海外旅行を計画する家庭も増加すると予想されている。
出所:法務省「出国管理統計」
海外でトラブルに巻き込まれる人数も増加?
外務省によると、2017年に海外で何らかのトラブルに遭遇した日本人を大使館などが援護した件数は、19,078件と発表されており、過去10年間で最多となっている(「海外邦人援護統計」参考)。今後も海外旅行者数の増加に伴い、トラブルに巻き込まれる人数も増加していくことが予想されているのだ。
知らない間に違法ドラッグの「運び屋」に!?
海外では、窃盗や詐欺、事故など様々なトラブルに遭遇する可能性があるが、特に気を付けるべきなのは違法ドラッグに関するトラブル。
旅行先で出会った人から、違法ドラッグが入った荷物を渡され、それを代わりに届けることで、知らない間に「運び屋」へと仕立てられてしまうケースがある。
最近では、無料の海外旅行を謳うことで旅行者を募り、違法ドラッグを運ばせるといったケースもしばしば。
こういったトラブルに巻き込まれてしまった旅行者は過去にも多く存在し、中には飛行機に搭乗する際に発見されたことで、有罪判決が下ったことや、最悪の場合だと死刑に至ったケースもある。