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総務省が提案する新ルール「スマホ端末代の割引は2万円まで」で得するのは誰か?

2019.07.25

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は総務省の端末割引額の上限設定について議論します。

アップグレードプログラムはアウト

房野氏:総務省が出したルール案には、契約解除料が1000円のほかに、端末の割引は2万円までという案もありました。こちらについてどう思われますか?

房野氏

石野氏:auとソフトバンクが提供しているアップグレードプログラムが完全にアウトですよね。あれは機種変更が条件になっているので100%変わる。

石野氏

石川氏:ドコモの「スマホおかえしプログラム」の存在も危うい。48回割賦じゃないから大丈夫だったはずだったのが、端末の2年後の市場買取価格にプラスできるのが2万円以内というルールで、ほぼ問題はなさそうなんだけど、予期せぬ事態がおきちゃうととんでもないことになる。総務省がいっている仕組みは、それぞれの端末に対して買取額がいくらになるか予見するもので、端末の価値が急に下がってしまった場合とか、予見するタイミングはいつなのかという問題もあって、事務的な手続きが大変なんですよ。

石川氏

石野氏:面倒くさそうですよね。総務省が買取事業者5社の買取価格の平均を出していたので、その5業者の「HUAWEI P20 Pro」の買取額を調べてみたんですけど、2社が買取不可になっていて、3社は値段を出していたんですけど安い安い。平均すると2万円くらいですけど、それは1年後の価格なので、2年後はヤバいなと。仮にスマホおかえしプログラムを適用したとして計算してみたら、買取額が2万円を超えちゃうんですよ。例外がちょこちょこ出てくるので、スマホおかえしプログラムも例外規定みたいなものを作らないといけなくなるかなという感じですかね。

石川氏:端末を買うときに、2年後大丈夫かということを考えないといけなくなる。

法林氏:そんなこと分からないよ。2年後に会社が倒産して廃業している可能性もある。撤退しますとか、買収で携帯電話事業を辞めますってこともありえる。今までだってスマホで撤退した会社はいくつかある。海外の会社もいつどうなるか分からない。ましてや今は米中貿易摩擦でキナ臭い話がある。工場が潰れた、撤退しますってことになったらどうするの。

法林氏

石野氏:予見できるのかという問題が1つ。あと、調べてみると、当たり前なんですけどiPhoneは下落していないんですよ。中古端末の価格も高い。スマホおかえしプログラムだと端末代の3分の1を免除されるけれど、その金額よりも中古業者に売った方が高くなるケースの方が多い。それはそれでいいのかっていう感じもちょっとした。

石川氏:中古とか買取のことを考えると、やっぱりiPhoneを選ばざるをえない。

石野氏:そうなんです。

石川氏:結局iPhoneがいいってことになる。

石野氏:ドコモにとっては、2万円の枠が空くわけじゃないですか。そうすると頭から2万円割り引けるので。

法林氏:そもそもの話として原則論を考え直す必要があると思う。端末は買いきり制だから、下取りとかアップグレードプログラムをやめなさいと総務省がいえばいい。売るのは自由だけど、買取るのはキャリアの仕事ではダメですと言えばいい。

房野氏:クルマでいう残価設定ローンですか?

法林氏:代物弁済と残価設定ローンは所有権が違う。あと方法としてはリースにするか。昔のレンタル方式ですよね。それにするしかない。原則論として買い取りのプログラムをやめましょうと総務省がいえばいいわけですよ。

石野氏:古物商の免許を取り消せばいいんじゃないですか。

法林氏:キャリアは修理の際にケータイ補償とかでものの入れ替えをする場合もあるので、古物商の免許は持っていてもいいと思うけれど、下取り制度をやめましょう、それは中古業者にやってもらいましょうというような原則を作るとか。その方がよっぽどクリアだと思います。

石野氏:確かにキャリアが買取をするって、ちょっと本来業務からは離れていますからね。

石川氏:ユーザーからしたらキャリアショップで買い取ってほしいと思う。

法林氏:データのこととか不安だからね。

房野氏:買取を始めたのもソフトバンクでしたっけ。

石野氏:たぶんそうだと思います。

法林氏:そうだよ。iPhoneを下取りして流せるからだよね。

石野氏:歴史を振り返るとソフトバンクが抜け穴を探し、それを塞ぐという流れ。

石川氏:今回の議論では、「総務省が提案しているこういう仕組みだと、こんな抜け道がありますよ、こんな穴がありますよ」っていうことを全部ソフトバンクが出していて、「こういうことを私たちがしちゃうので禁止にしてください」という議論の仕方をしていた(笑)

石野氏:ソフトバンクの資料が超面白かった。三店方式とか書いてあって。

石川氏:それを先に教えるという。

法林氏:逆にいうと、そういうことをソフトバンクに教えてもらわないと分からないような制度の作り方しか総務省も有識者もできないんですよ。だからダメなんです。現場が分かっていない証拠。

石川氏:そうだし、キャリアがそういったから、ハイハイ、やめましょうねというのは、結果としてキャリアを守っているだけにしかならないし、競争を潰していることになっていると思うんですよ。むしろ、競争を促進させるなら穴を塞がない方がいいんじゃないかなって気もする。

房野氏:穴が競争になると。

石野氏:抜け道競争。

石川氏:抜け道がなくなったら、キャリアはぬくぬくと儲かるだけですからね。

石野氏:どっちがすごい抜け道を発見するかみたいな。

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