
モザイクタイル発祥の地・岐阜県多治見(たじみ)市に、日本唯一のモザイクタイルミュージアムが誕生。各地から譲り受けたモザイクタイルを展示しています。昔は、トイレなどの水回りに使うことが多いものでしたが、最近はインテリアとして楽しむのが流行中!
実家やおばあちゃんち、小学校で見たことありません?
水周りを彩るこんな小さなタイルを見たこと、ありませんか?
表面積50平方センチメートル以下の小さなタイルが、「モザイクタイル」。2017年、モザイクタイル発祥の地・岐阜県多治見市に、モザイクタイルミュージアムが誕生。実際に使われていたモザイクタイルの洗面台やかまどなどを譲り受けて展示しています。
どうですか? この昭和レトロなかわいらしさ。
1つ1つが小さく、組み合わせ次第で多様な表現ができるのが魅力です。ひと昔前までは当たり前に身のまわりにあふれすぎて、注目したこともないかもしれません。でも、原料などの関係でもう二度と作れない色のものもあるそう。
ニュアンスのある中間色から、ビビッドでポップなものまであり、中には動物を描いた愛らしいものも。焼き物(陶器)ならではの質感もステキ。何より、カラフルで小さなパーツがたくさん集合している様子は、なんといってもかわいいのです。
モザイクタイルの街・笠原町を知っていますか?
これらのモザイクタイルの約8割は、岐阜県多治見市笠原町で作られています。多治見市といえば、最近は「日本一暑い街」として名が知られますが、日本屈指の焼き物(美濃焼)の産地なのです。モザイクタイル産業が盛んな笠原町は、多治見市の南部に位置し、もともとは茶碗などを生産していました。
昭和初期、この地で製陶業を営んでいた山内逸三(いつぞう)という青年が研究開発に取り組み、美濃焼のモザイクタイルの生産をはじめました。
釉薬由来の深い色、温かみがあるのにクールな表情は、焼き物ならではの魅力でしょう。当時は全国的にコンクリートの建造物が増えていった時代でもあり、陶製で水に強く、おしゃれなタイルをあしらうのが好まれ、笠原町のモザイクタイルは全国的に普及していきました。
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