
上司にとって、部下との関係づくりに欠かせないのが、信頼関係の構築。ではどうすれば部下との信頼関係が築けるか。その手順を米国NLPコーチング研究所公認プロフェッショナルコーチの有岡秀郎さんに聞いた。
後編では、部下との信頼関係を築くにあたり、絶対にやってはいけないことや、コーチングを行う上司自身の心の持ち方を紹介する。
前編はこちら
これは絶対NG!部下の信頼が失われる行為
「これまで多くの上司や同僚と一緒に働く上で得られたご経験から、どのような人を高く信頼し、どのような人が信頼できなかったか、良くも悪くも見本となる人がいたと思います。信頼関係を考える上で、最も気をつけなければならない前提は、信頼を築くのは日頃の一つ一つの積み重ねですが、失うのは一瞬であるということです。
私が昨年、20代から30代の500名の非管理職を対象にした独自の調査によりますと、メンバーから管理職に対して信頼関係が損なわれる上位3つとして、次が挙がっていました。心当たりはありませんか」
1位 メンバーに責任を押し付ける
2位 感情的な指導をする
3位 倫理観が低い、ハシゴを外す、存在を否定する
信頼を失わないためのポイント
では、どうすれば部下の信頼を失わないで済むのか。そのポイントを有岡さんは次のように教える。
「ここで大事なポイントは、指導の際に焦点をあてる『時間』と『内容』です。
時間については過去ではなく、未来に向かって指導しましょう。『なぜそのようなミスを犯してしまったのか?』と『過去』において指導されるとメンバーは逃げ場がなくなります。次回どのようにすればミスを防げるのか、焦点を『未来』に向けてください。
指導する内容は『行動(コト)』に焦点をあて、『人格(ヒト)』に焦点が当たらないようにします」
●感情的になってしまうなら…
「しかしながら誰しも人間ですので、完璧な人間はいません。感情的になることもあると思います。感情的になりやすい方は一度、ご自身の怒りに向き合うことをおすすめいたします」
参考:自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック