
スマホを電話として利用するためには、携帯電話会社(キャリア)と契約をする必要があります。契約を行うと、「SIMカード」が支給されますので、それをスマホに挿入すれば、電話をかけたり、ネットサーフィンやゲームやメールができるようになります。
多くの人は、ドコモやau、ソフトバンクなどの大手キャリアと契約を行い、端末と通信料セットで月々の支払いを行っているかと思いますが、「格安SIM」だと、安価でスマホを使えることもあります。
格安SIMの電話番号ってどうなってるの?
大手キャリアと契約している場合は、特に何の疑問も持たずに利用していた、「電話番号」の問題。格安SIMを利用した場合、格安SIM特有のメリット、デメリットはあるのでしょうか?
格安SIMの電話番号って選べるの?
ドコモやau、ソフトバンクなどの大手キャリアでは、新規契約する際に全桁の希望番号の取得は流石に無理ではあるものの、任意の下4桁を指定して、いくつかの候補の中から、現在取得可能な番号を選べるサービスがあるようですが、格安SIMの電話番号も同様なサービスを享受することは可能なのでしょうか。
残念ながら、格安SIMの事業者で番号を選べると明示している事業者は、2019年7月現在見当たりません。その辺は、格安SIMならではのサービスの割り切りようです。
しかし、実際の店舗を持っているような事業者であれば、窓口でース聞いてみても良いかもしれません。ネット受付のみの事業者は、基本、番号の選択は難しいようです。
格安SIMの電話番号は以前のスマホをそのまま使える?
格安SIMに乗り換えるはいいものの、長年使用していて、会社や友人に周知されている電話番号が変わってしまうのはちょっと困る……と思われる人も多いと思います。しかしご心配は無用です。
現在使っている電話番号は、そのまま格安SIMでも利用可能です。
ちなみに、現在使っている電話番号をそのまま引き継げる仕組みのことを、「MNP(Mobile Number Portability)」といいます。最近はあまり言われませんが、「番号持ち運び制度」とも呼ばれます。
MNPの方法はとてもカンタン。現在契約しているキャリア指定の連絡先に連絡をして、「MNP予約番号」を取得します。次に、これから乗り換えたい、格安SIMの事業者に、「MNP予約番号」を伝えて、新規契約を行います。契約完了後、新しいSIMが到着したら、以前のキャリアのSIMをスマホから取り出し、代わりに新しいSIMをスマホに挿入して、所定の設定を行います。
SIMの取り出し、挿入なんて初めての体験になる人もいるかとは思いますが、一度体験してしまえばとてもカンタンです。もし、月々の携帯電話の利用料が数千円も安くなるのであれば、乗り換えない手はないです。
なお、MNPで乗り換え可能なのは、電話番号だけで、キャリアのメールアドレス(@docomo.ne.jpなど)は、前キャリアの契約を止めた時点で使えなくなるので要注意です。
今後、現在のキャリアを転出する可能性があるのであれば、Gmailなど、キャリアに依存しないメールサービスのメールアドレスをメインアドレスにするよう、徐々に準備しておいたほうが良いかもしれません。
また、「電話はIP電話でいいや!」という場合、今の所、携帯電話番号→IP電話番号へのMNPはできないようです。IP電話を利用するのであれば、データ専用プランでいいや、といった場合、前契約の音声通話プランから、データ専用プランへのMNPも不可です。そもそもデータ専用プランでMNPが必要か、とは思いますが。またいずれ音声通話プランに戻る予定がある人は、格安SIMに乗り換える際、データ専用プランには変えない方が良いでしょう。
格安SIMの電話番号は別のスマホにも引き継ぎできる?
格安SIMで、しばらくスマホを利用していますと、スマホが故障したり、型が古くなりましたので、買い換えるケースが良くあります。その場合、電話番号は変わってしまうのでしょうか……。
ご心配は無用です。携帯電話の電話番号は、SIMにひもづいていますので、新たなスマホにSIMを差し替えて、設定を行えば、別の機種でも、同じ電話番号を利用することが可能です。ただし、電話帳は原則、新たなスマホに移行の設定を行う必要があるので要注意です。
ただし、AndroidスマホではGoogle アカウント、iPhoneでは Apple IDにひもづいた電話帳を常時バックアップする設定になっていれば、同じアカウントを新しいスマホに設定すれば同期させることもできます。電話帳への登録数が超大な量になっている場合は、これを機会に断捨離するのも一つの方法かもしれません。
格安SIMの電話番号を新規で取るなら?
格安SIMの電話番号を新規で取るのはとてもカンタン。大手キャリア同様、普通に新規契約をすれば、新しい電話番号を割り振ってくれます。ここで注意したいのは、大手キャリアではおおむね、携帯電話番号としておなじみの、頭「090」「080」の電話番号を、おおむね振ってくれますが、ここ最近はこれらの番号が枯渇してきたため、特に格安SIMの場合は、従来はPHSで使われていた「070」で始まる電話番号を振られてしまうケースも出てくるようになったようです。いずれ大手も「070」が一般的になるかもしれません。したがって、「070」で始まる番号が、必ずPHSである時代は、もう終わりました。
また、電話番号や音声品質にこだわらない、とにかくコストを安くあげたい! 人であれば、「IP電話」の電話番号である「050」の番号を取得するのも、考えの一つとしてあっても良いかもしれません。
IP電話の場合、キャリアとは別に、IP電話のサービスを行っている事業者に契約するのが一般的ですが、(050plus、SmarTalkなど)楽天モバイルのように、キャリア自身が「050」の番号で始まるIP電話サービスを行っている場合もあります。ただし、楽天の050データSIMでは、「110」や「119」といった緊急通報など、一部の電話番号宛に発信することができない、184を付けて発信しても、非通知での発信はできない、通信状況が通話品質に影響するなどのデメリットがありますが、通話料金の安さは魅力的です。
格安SIMの電話番号を変更する方法
格安SIMを新規契約して、新たな電話番号を取得したはいいですが、携帯電話番号は有限なため、いわゆる「リサイクル」をしており、過去に同番号を使っていた人が契約を止めた場合、新規契約者にその番号が再割り当てされる場合があります。その結果、間違い電話が多くかかってくることもあるでしょう。
残念ながら「現在の番号が気に入らない」場合に、無料で別の電話番号に変えてくれるサービスは、基本ないようです。新規契約時同様、所定の手数料を支払って、あらたに新しい電話番号を割り振ってもらう必要があります。したがって、長く使っている電話番号があるのであれば、できるだけMNPで、なじみある電話番号を長く使っていくことが大切かもしれません。
※データは2019年7月下旬時点での編集部調べ。
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取材・文/FURU