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成功するサブスクリプションメディアの条件は?海外オンラインメディアの動向から見えてくる有料ニュースの未来

2019.07.24

信頼性?クオリティの高さ?有料コンテンツへ求めるものとは?

高品質なコンテンツだけを提供するというテーマのもとサービスが始まった「Apple News」。サブスクリプションメディアでもありニュースアグリゲーターとも言えるが、下記のようにユーザー数を増やしている。

Digital News Report より

2016年からの経緯がわかる上記のデータでは、2019年にはアメリカのiPhoneユーザーのうち「Apple News」を利用している人が27%にいたった。

有名誌を含む300誌以上が読めると今春話題となった「Apple News+」では、雑誌の誌面を見せるフォーマットに関するトラブルが起こるなど、ここ数ヶ月パブリッシャーとの交渉で難航しているようだが、今後の展開が期待される。

シアトル在住の旅行業に従事するアメリカ人は、こう語る。

「僕は、『Apple News+』も、どのサブスクリプションメディアも有料購読はしていないね。それは周りの友人も同じで、おそらく現状は、アッパーミドルクラスのアメリカ人が喜んで払っている状況なのではないかと思います。一方で、フェイクニュースやニュースメディアのように見せかけて記事の中身が薄い広告ばかりを載せているメディアには、がっかりしています。そういった意味で、そろそろクオリティの高いオンラインコンテンツにお金を払ってもよいのでは?とも思っているよ。ちなみに、僕はNPR(米公共ラジオ局)に毎年寄付しています」

Digital News Report より

アメリカのメディアの信頼度を示すデータからは、信頼度1位に「Local television news」、2位に「Wall Street Journal」そして、3位に「NPR」が入っている。

「NPR」は視聴者の寄付から成り立っている米公共ラジオ局で、各州にラジオネットワークがあり、それぞれの土地でコミュニティが形成されているそうだ。男性は、ティーンの頃からボランティアでNPRのラジオ放送の手伝いもしていたと言う。地域のために正確な情報を放送してくれるNPRへの感謝の気持ちから寄付も欠かさないという。

このエピソードから、本当に価値のあるニュース、世の中(地域やコミュニティ)に貢献しているコンテンツとわかれば、人は課金(寄付)する傾向にあるということがうかがえる。

また、データからは、前述した「New York Times」「Wall Street Journal」「Washington Post」が上位に入っている。信頼度が高いメディアブランドとして、テレビとラジオ以外ではトップ3となっており、フェイクニュースが問題視される中、より信頼性の高いメディアを定期購読しようという意識が垣間見られる。

ただ、「Degital News Report」では、「Apple News+」のようなアグリゲーターがニュースをまとめて配信してしまうことで、パブリッシャーと読者との直接のつながりが断たれ、広告のターゲット情報も得にくくなる危機を指摘している。さらに、若い人の間では、ニュースよりネットフリックスやスポティファイ、アマゾンといったエンタテイメントにお金を払う人の方が多いという。

「まだ、フェイクニュースばかり読んでいるのですか?ジャーナリズムでいくつもの賞に輝いた『The New Yorker』を購読するなら今ですよ!」

洗練されたユーモアで絶大な人気を誇るアメリカの文芸誌「The New Yorer」のキャッチコピーだ。定期購読の訴求として「信頼性の高さ」をうたっている。アメリカのオンラインニュースを読んでいると、こんなエッジのあるキャッチコピーを何度か目にする。

サブスクリプションメディアを購読する人は世界的に見てまだまだ少ないかもしれないし、行先が不透明かもしれない。ただ、そんな中でも上記のような大手パブリッシャーの成功例をはじめ、業界の専門性に特化しイベントやセミナーを巻き込んだサブスクリプションメディアはアメリカでも好調と聞く。信頼度の高い情報を提供し、地域(業界)への貢献、コミュニティを形成できるようなメディアに人は課金するのかもしれない。

構成/田辺敦子(HOUSTON UPRIGHTSun Shine Girls
新聞記者、アメリカ(NY &LA)でのコーディーネータ業務を経て帰国後、外資系広告代理店のコピーライターからフリーランスへ。海外トレンド発信・リサーチ、広告・出版(美容・ファッション)。コスメコンシェルジュ。ニューヨーク大学とオフオフブロードウェイUCBシアターでの映画・コメディ制作経験からユーモアコンテンツにも挑戦しています。

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