
夏は、熱中症や水難事故などのリスクがある。もし熱中症が疑われる状態や心停止状態に遭遇した際には、どのように対処すべきか、そして救急隊が駆け付けるまでの時間、どうすればいいか。もちろん、基本を知るだけでは万全な対策とは言い切れないが、どのようなことが必要なのか把握しておくことは有用といえる。
「あの人は熱中症かもしれない」と思ったらどうする?
熱中症が疑われたとき、また、そのような人を見たときには何をすべきか。
環境省の「熱中症予防情報サイト」では、熱中症の対処方法(応急処置)がチャート式で詳しく解説されている。まずはこれを押さえておこう。
チェック1:熱中症を疑う症状がありますか?
めまい・湿疹・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温
これに該当すれば、次のチェックへ進む。
チェック2:呼びかけに応えますか?
もし呼びかけに応えないなら救急車を呼び、応えるなら、涼しい場所へ避難し、服をゆるめて身体を冷やす。
チェック3:水分を自力で摂取できますか?
もし自力で摂取できないなら医療機関へ連れていき、摂取できるなら水分・塩分を補給する。
チェック4:症状がよくなりましたか?
ここまでの対処を行っても症状がよくならないなら、医療機関へ。
よくなったら、そのまま安静にして十分に急速をとり、回復したら帰宅。
出典:環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症の対処方法(応急処置)」
また日本赤十字社の公式サイトでは、熱中症の手当として次の内容が書かれている。
・できるだけ早く風通しのよい日陰や、冷房が効いている室内などに避難させます。
・原則として水平にしますが、本人が楽な体位にします。
・厚い衣服は脱がせて、体から熱の放散を助けます。
・意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給をさせます。経口補水液、スポーツ飲料か、薄い食塩水などを飲ませます。
・胸や腹の体の表面に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。氷嚢などがあれば、それを頚部、腋窩部(わきの下)、鼠径部(大腿の付け根、股関節部)に当てて皮膚の直下を流れている血液を冷やすことも有効です。また、体温の冷却はできるだけ早く行う必要があり、重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
・水分が補給できない、症状に改善が見られない、様子がおかしい、全身の痙攣があるなど、手当の判断に迷う場合は、直ちに119番通報します。
・119番通報後も、救急隊の到着前から冷却を開始することが求められます。
・反応(意識)がなく、普段どおりの呼吸がない場合は、一次救命処置の手順により手当を行います。
一次救命処置は、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法やAEDの使用などが主となる。
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