若者の自己肯定と張り紙
その店員が言ったセリフを忠実に再現すると以下になります。
「にじきゃ〜まぁ〜すけどだっじゃぁすか?」
もう謎の呪文である。
「ハ?」
と聞き返すと、
「二時間ッまでですっけどォ、大丈夫ッですかッ!?」
と逆ギレ気味に言われた。
ハッキリいって呑む前からカチンときたけど、そこはおとなしく案内される。
今思い返せば、こっちも、
「や〜さっしょ!(イイですよ)」
とか呪文で返答してやりゃあよかった。
そして案内されたのは広い座敷のグループ用の大テーブル。
そんなテーブルを60近いオヤジが一人で占領する。どうも落ち着かない。
一人用のカウンターみたいな席はないのか? と店内をグル〜ッと見ましたが、一人客に対応した席はないようだった。
隣のテーブルには、10人ほどの二十歳そこそこと思える若い男のグループが呑んでいた。その話し声が否が応にも聴こえてくる。
「やっぱり職場の不満はちゃんと上にいった方がいいんだよ、うん!」
「コミニケーションは大事なんだよ、うん!!」
セリフの後に必ず「うん」を入れるヤツがいた。自分のセリフを自己肯定したくてしょうがないんだろうが、そんなことはどうでもいい。
注文である。モツ煮の食べ放題(480円)とクエン酸サワー(390円)を頼む。
モツ煮は店内の大鍋から自分で鉢に盛るスタイル。だがその鍋の横には、一枚の注意書きが貼られていた。