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「会社は本当に60年も雇ってくれるのか?若者に必要なのは起業して失敗すること」杉村太蔵氏インタビュー

2019.07.23

企業は60年も雇ってはくれない

 その杉村氏は、そうした自分の知名度などを活かして、「企業版ベーシックインカム」という実践的研究を通じて、起業家支援や人口減少対策などに取り組んでいる。そうした社会の課題に積極的に取り組んでいくには、失敗を恐れずチャレンジすることが大切であることを力説する。

「私は、若者は、もっともっと失敗をするべきと思うんです。

 僕自身、失敗しまくっていますが、その失敗があるから、今がある。大学で中退したし、議員も落選した(2010年6月の第22回参院選で、『たちあがれ日本』の比例代表候補として出馬)。やっぱり、大学を中退した、議員を落選した、あの挫折、あれが生きていますよ、確実に。だからね、失敗は、将来のカネのたねになる。

 違った視点から見ると、人生100年時代と言われるようになり、私たちの世代は、80歳まで働くなんて当たり前の時代なんです。そうすると、20歳から60年間働かないといけないんですよね。とすると、20代から30代前半の10~15年なんていうのは修行期間のようなもの。うらを返すと、いくらでも失敗してもいい。いろんなことに、チャレンジしたヤツのほうが、40歳、50歳、60歳になってから強いでしょう。いまの大企業でお勤めの方は、ほとんど(僕のような)失敗をしていませんね。チャレンジ経験もなければ、失敗の経験もない。僕が同世代と話をしていて、圧倒的に差が付き始めていると感じるのは、同期の銀行員たち。何の失敗もなく、39歳を迎えて、希望退職も含めてリストラされ始めているんですから」

 さすがの「杉村節」だが、たしかにAIに仕事を奪われる職種が話題になるようになり、このままの延長では、どうもやっていけないという漠とした空気はある。さらに、来年以降に行なわれる大学入試階改革が成功し、有能な人材が継続的に社会に出てくるようになると、いまの現役世代の若者は、下からも突き上げられることになる。

「たとえば、企業版ベーシックインカムの第一期から参加して、北海道の音威子府村で民泊を成功させつつある浜崎さんという方がいます。彼は慶応義塾大学の1年生のときに休学して、私のプロジェクトに参加して、いま音威子府村の役場から補助金を助成してもらうために申請書類を何度も何度も書き直しさせられている。このチャレンジって、すごく重要で、僕らの世代は、そうしたチャレンジをしないで、補助金を出す側、銀行で融資の審査をする側で仕事をしている。でも、これ審査される側に回ったとき、大変ですよ。そうなることはないと思うかもしれませんが、会社が(一人が一生の間に勤め上げる)60年間変わらないってありえっこない。

 私がおすすめするのは、これからどんどん副業がOKになりますので、そういうことにチャレンジしてほしい。ひとつの会社に勤めながら、3つの会社を経営しています、という人が普通になる世の中になるのではないでしょうか」

 では、起業やチャレンジ、さらには失敗をする際の心構えとして、どういったことが大切だろうか。杉村氏は、チームでチャレンジすること、そして得意なものを持ち寄れるようなネットワークを持つことを挙げてくれた。

「起業のポイントは、一人でやらないこと。一人でやっちゃ、ダメなんです。僕は、アイデアを出せるんですが、事業計画にするのは別の方に協力してもらっています。また、ITとかのハイテクは、まったくダメなので、これも人にお願いをしている。一方、僕は、行政や役場などとのやり取りは経験がある。また、条例が変わったときなどに、どこが変わったかなどの押さえどころはわかる。あと、業界団体。これは議員だったからパイプがある(笑)。こんな風に、役割分担して、お互いに補い合っていけば、力を発揮できると思う。

 ちなみに、私の博士課程の研究もチームでやっています。私は、博士号を取りたいのではなくて、きっちりと問題を解決され、社会問題が解決されて初めて学位が与えられるべきと思っています。誰も読まない論文を書いてもしょうがないじゃないですか。僕としては、人口減少、若者支援、こういったもののスキームを作ることで、できるだけ多くの自治体の方の参考にしてもらえるようなものをまとめたいと思っています」

 今後ブロックチェーンを活用したトークンエコノミーや、新しいタイプのスコアリングの活用が期待されているなかで、杉村氏のように「自分の力をきちんと見極め、仲間と協力して問題に向き合う。そして、繰り返しチャレンジするなかで仲間を増やす」といったマインドは、大切になってくるはず。彼自身は、テクノロジーに詳しくはないと断言するが、近未来に訪れようとしている社会を先取りしているようにも感じられる。

杉村太蔵
1979年8月13日生まれ、北海道旭川市出身。筑波大学中退後、派遣社員から外資系証券会社勤務を経て、2005年9月に行なわれた第44回衆議院議員総選挙(南関東比例区)で最年少当選。ニート・フリーター問題など若年者雇用の環境改善に尽力するかたわら、テレビタレントとしても活動し、「サンデージャポン」(TBS系)、「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系)、「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)などに出演する。著書に「バカでも資産1億円」(小学館、2014)があり、実業家・投資家としても活躍する。現在、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科後期博士課程に在籍。私生活では三児の父。

文/DIME編集部 撮影/篠田麦也

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