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デジタル社会でパートナーと信頼関係を築くカギは「脱ハンコ文化」にあり

2019.07.22

 ブロックチェーン技術を先進的に社会実装しているバルト三国のひとつのエストニア。ここに本拠を起くblockhive社共同出資者の日下 光氏は、オープン、トランスペアレント、フェアといったスタンスが、これからの企業に求められていると言う。2019年3月から日本法人を設立し、スマート・リーガル・コントラクトと呼ぶ、新しい契約のスタイルを日本に提供する準備を進めている日下氏が考えるブロックチェーン技術の可能性や、日本企業の課題などについて尋ねた。

信用コストが低い=幸福度の高い社会を目指して

 blockhive社はデジタル先進国といわれるエストニアで起業し、そこで作られたプロダクトを日本で活用する準備を進めている。日下氏が日本の企業に足りないと感じているのは、オープン、トランスペアレント、フェアなど、ブロックチェーンやオープンソースソフトウェアの界隈で重視される考え方である。

「ぼくが目指しているのは、正直者がバカを見ない社会。隠したり、騙したり、情報格差を活用する人のほうが得をして、オープンにしたり、透明にしたり、人と人をつなげる人が損をする社会は、最後はきっと損をする。これを変えたいと、強く思っています。

 でも、企業は、技術や情報を共有したくないから、研究内容は隠すし、同じトピックで、同じような予算を割いている。私が知っているケースでも、同じ分野の研究に、50億円、100億円を使っていることもあるんです。私たちとパートナーシップを結んだ企業さんには、我々の研究開発部門が蓄積している資産があるほか、どの企業が、どの技術を持っていて、どういう状況はもちろん、極端なときには御社の場合は、ブロックチェーン技術ではなく、別の方法もあるのでは? という提案なども含めたフィジビリティ(実行可能性)の検査を無償でお手伝いしています。ムダなコストをかけずに済むので、その分を違う分野への投資や、極端な話、社員の福利厚生などに回してください、といったお話しをしています。が、なかなか理解していただけませんけれど(笑)」

 blockhive社は、2017年にブロックチェーン先進国であるエストニアで設立され、独自の資金調達モデルILP(仮想通貨による貸し付けシステム)の開発や、エストニア国営発電所でのマイニング事業などを手がけるほか、電子住民プログラムのeResidencyチームと共にエストコインプロジェクトの検討委員会のメンバーとしてアドバイザーの役割や、エストニアICOサンドボックス策定チームのメンバーも務めるベンチャー企業だ。

 同社が今年から日本に導入を始めているのが、スマート・リーガル・コントラクトを実現するプロダクトだ。

「2年前からパートナーを組んでいるAgrello社という会社はリーガルテック(法律legal+技術technologyからの造語。法務にITを導入し、裁判や契約に関する事務作業などの効率化を支援)のスタートアップなんです。ここと何をしているかというと、エストニアと同じようなデジタルIDを、世界中の190か国、つまり公的身分証明書が発行されているすべての国で使ってもらえるようにする仕組みです」

 Agrello社が提供するデジタルID「Agrello ID」は、発行は無償で、エストニア政府が採用しているIDと同じブロックチェーンの仕組みを使っている。日本でも運転免許証やパスポートさえあれば、アプリから「Agrello ID」を発行し、電子署名などインターネットを介した取引における本人確認の根拠として使うことができる。いずれは日本において、マイナンバーカードと連携することも視野に入れている。

「エストニアでは当たり前ですが、デジタルIDがあることで、確実に本人性が担保されるので、なりすましがおこらなくなります。エストニアや日本だけでなく、今後各国がICチップつきのデジタルIDを発行していくと我々は考えています。その際にAgrello IDが共通のアプリケーションになれば、エストニアのデジタルIDを持っている人と、日本のマイナンバーIDを持っている人が同じ仕組みの上で電子契約できるということです

 少し話が飛ぶようですが、私はデジタル化された社会においても、家族の中の指切りげんまんのような信頼関係を構築できないか、と考えています。相手を信用できるか、否かを確認する負担が少ない社会、つまり信用コストの低い社会です。

 具体例としては円満な家族のようなコミュニティでは、幸福度が高いんです。けれど、一般の社会では、指切りげんまんでは済まないので契約や、それに伴う契約書が必要になります。マクロで見てみると、インターネットやSNSの普及によって、信用コストが高くなっている。その原因のひとつが本人性の担保だと思います。これをブロックチェーンによるデジタルIDによって、確実に本人性が担保された契約が行なえて、その契約も自動的に執行されるスマートコントラクトを使うことで、誰もがスムーズに使える電子契約の仕組みができる。これが私たちが日本向けに提供しようとしているスマート・リーガル・コントラクトです」

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