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移動の概念が変わる?リニア中央新幹線開通が日本経済に与えるインパクト

2019.08.05

リニア開業とともに訪れる交通基盤と社会の変化

 ここまではリニア単体が及ぼすであろう変化の予測だが、入山教授はリニア開業から約10年後となる、2035年以降の社会にも注目すべきだと語る。そこでカギとなるのがMaaS(Mobility as a Service)など、自動走行車の存在だ。

「トヨタは昨年の世界最大の家電見本市CESで、ICTを活用した次世代モビリティー『e-Palette』を発表しました。そこでは自動走行によるライドシェアだけでなく、移動式ショップやホテルなどを提案していました。こうした新しいモビリティーサービスの登場によって移動の負担が軽減し、利便性が向上すると、駅の近くに住む必要がなくなります」

 これは一例だが、現在から20年後にはリニアとともに新たなモビリティーの開発や整備も進み、居住地の選択肢がさらに広がり、物件の資産価値にも大きな変化が起こる可能性もある。

 また、リニアは先に目的ありきの移動手段だが、入山教授は移動という行為、その価値にも変化が起きると予想する。

「豪華客船やクルーズトレインなど、人間は移動そのものを楽しみたいという欲求があります。景色を眺め、道中を楽しむために新幹線こだまに乗るという人も増えるかもしれません。その結果、移動において、速達性か移動の楽しさかの二極化がさらに進むと思います。いずれにせよ、リニアという新たな大動脈ができることで、〝人の活動量〟が増えるのは間違いないでしょう。リニアはメリットもリスクも孕んでいますが、明るい未来図を描くために、自動走行車や地域との連携など、トータルで見てリニアをうまく活用できる社会を作る必要があると思います。つまり、リニアを生かした地域開発を積極的に検討すべきです」

 リニアは新たな移動手段という存在に留まらず、次世代モビリティーや既存の交通インフラとのシナジー効果により、想像以上に私たちのライフスタイルに変化をもたらす可能性を秘めているのだ。

入山章栄さん早稲田大学 大学院経営管理研究科教授
入山章栄さん
慶應義塾大学卒業。同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所でのコンサルティング業務に従事した後、ピッツバーグ大学経営大学院にてPh.D.を取得。専門は経営戦略やグローバル経営。

リニア中央新幹線リニア中央新幹線が時速500kmで走ることで、沿線の各都市との距離感と移動時間の概念が大きく変化する。首都圏内の移動より、名古屋に行くほうが早い場合もあり、企業の拠点作りにも変化がありそう。

取材・文/村田尚之 撮影/山本智

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