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会話ができるロボットは入院中の子どもの不安や痛みを軽減する、米ボストン小児病院研究

2019.07.16

会話ができるソーシャルロボットは入院中の子どもに有益

歌を歌ったり、一緒にゲームをしたりする“Huggable”と名付けられたテディベア型のソーシャルロボットは、入院中の小児患者の心の癒しになるようだ。

米ボストン小児病院の研究チームが行った研究で、最新技術を搭載したソーシャルロボットは、タブレット端末に映し出される“Huggable”やぬいぐるみよりも、3~10歳の小児患者を元気づけ、不安や痛みを軽減するのに有用であることが分かった。この研究の詳細は「Pediatrics」7月1日オンライン版に掲載された。

今回の研究では、3~10歳の入院中の小児を対象に、“Huggable”と呼ばれるテディベア型のソーシャルロボットを使用する群と、タブレット端末でバーチャルの“Huggable”を使用する群、従来のテディベアのぬいぐるみを使用する3つの群にランダムに割り付けて比較検討した。

ロボットは病室外のホールで専門スタッフが操作した。カメラで患者の様子を観察しながら、ロボットの表情や身振り、視線の方向などを制御したほか、専門スタッフの声を子どもらしく聞こえる声に変換してスピーカーを通して話しかけた。

また、スタッフは子どもに童謡を歌って聞かせたり、年長の患者とは「I Spy」などの言葉遊びゲームで遊んだりした。なお、タブレット端末のバーチャル“Huggable”も同様にスタッフが遠隔操作した。

その結果、子どもはバーチャルなロボットやぬいぐるみよりも、ソーシャルロボット自体と遊ぶことを好むことが分かった。

ソーシャルロボットと遊んだ子どもは、ベッドから起きて動き回るようになったほか、ロボットと情緒的な関係を築き、個人的な質問をしたり、家族に紹介したがったりしていた。さらに、多くの親は、ロボットと交流している子どもたちを見て、子どもの苦痛が和らいだようだと報告した。

これらの結果を踏まえ、「子どもたちに感情的にも身体的にも、コミュニケーションの面でもこのような向上がみられたことは、入院している子どもたちのより早い回復に寄与する可能性がある」と結論づけている。

論文著者の一人で同病院の小児心理学者であるDeirdre Logan氏は「入院中に孤独を感じたり、治療を怖がったりする子どもたちに、どのような支援が提供できるのかを知ることはとても興味深い」と述べている。

同氏は、病院のスタッフは、子どもが安心して入院生活を送れるように尽力しているが、患者に常に付き添っているわけにはいかないとし、その点、「ソーシャルロボットは、1日を通して子どもたちに寄り添うことができる」と指摘。「他人と話すことが苦手な子どもでも、ロボットには心を許してくれる子どももいるかもしれない」と述べている。

ただ、研究者らによれば、このようなソーシャルロボットは医療者の代わりとなるものではなく、あくまでも補助的な役割を担うように設計されているという。

共著者の一人で米マサチューセッツ工科大学(MIT)パーソナルロボットグループのディレクターを務めるCynthia Breazeal氏は、「われわれは、ソーシャルロボットをスタッフの一員と見なして設計している。子どもたちのケアの質の向上を目指す全ての人々を支援することを目的としており、子どもたちとロボットの交流だけを見ているわけではない」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://pediatrics.aappublications.org/content/144/1/e20181511

Press Release
http://news.mit.edu/2019/social-robots-benefit-sick-children-0626

構成/DIME編集部

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