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やっぱりゴリ押しか?「スマホの契約解除料1000円」を陰でこそこそ決めた総務省に物申す

2019.07.19

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は契約解除料1000円の何が問題だったか、その影響について議論します。

アンケート結果を反映しているとはいえない

房野氏:6月18日に開催された総務省の有識者会議で、携帯電話の2年契約を途中解除する際の解除料が、これまでの9500円から1000円になることが、ほぼ決定しました。さまざまな異論が出ていますね。

房野氏

石川氏:総務省が解除料を1000円と決めたプロセスがまず納得いかない。解除料は4000円から5000円と、5月中に業界内では決まっていたにも関わらず、6月11日に行われた非公開の会合を経て、一気にバタバタと解除料1000円と出た。その前の6月8日土曜日には日経新聞が1000円という報道をしていました。
 6月21日の日経新聞にも書いてあったけれど、菅さん(菅官房長官)の「ドラスティックな(思い切った)方向に行け」という発言があったからこその変更だったのかなと。ただ、1000円という数字を作るには何かしらの根拠が必要なので、5月末に無理やりインターネットアンケート(「携帯電話の期間拘束契約に関する利用者の意識調査」)をした。6000人にアンケートをしているんだけど、キャリアを変えたいと思わない人が半数以上いるんです。

石川氏

法林氏:そうそう。

法林氏

石野氏:アンケートをちゃんと読めてないじゃんって(笑)

石野氏

法林氏:アホかと。

石川氏:今のキャリアを変えたい人がそもそも9.9%しかいないんですよ。検討してもいいという人が37.6%。これを合わせると、全体の47.5%になります。その人たちに、解除料がいくらならいいですかと数字を聞いていますが、これも無料期間まで待つという人(1089人)を抜いているんです。それで、いろんな金額が出た中で高い金額から積み重ねていくと、だいたい1000円くらいのところで8割に積み上がる。8割の人が1000円くらいだったら変えてもいいと思っているという根拠作りなんですけど、それはないんじゃないのと。ネットアンケートで数字を作って、こうですなんて言っていたら、有識者が集まって2時間も議論をする必要がないってことになる。有識者がバカにされているのに、みんなフムフムとかいっているわけですよ。なんでわかってないのかと。官僚の人たちも、アンケートで決まるんだったら、あなたたちは必要ないじゃんってことになると思うんですよ。

法林氏:6000人中、携帯電話会社を変えることについて、乗り換えたい、もしくは乗り換えを検討してもよいと回答して、最終的に許容できる違約金の金額を回答した人は1758人しかいない。4分の1近い人数で、その人たちの中の8割が1000円と言ったんだね。

石川氏:いや、いろんな数字を言っているんですよ。それを高い金額順でどんどん積み重ねていって、1000円になると8割くらいに積み上がる。

石野氏:ひどいのが、乗り換えるに当たって違約金や端末割賦代金などがない状態と設定されていて、それで乗り換えたいと回答した人が9.9%なんです。少ないと思った。みんな別に変えたくないんじゃんという結果が出ている。

法林氏:そもそも乗り換えなくていいと言っている人が半分を超えている。

石野氏:検討している人の半分が移ったとしても非常に低い数字。それも違約金が一切ない状態、フリーハンドの状態だとしての数字なので、多少の縛りがあったらもっと低くなるはず。違約金1000円の根拠にもなっていないし、そもそもそんな状態で違約金を1000円に下げたからといって、流動性が高まるとはまったく思えない。これも総務省の制度案で、端末割引の上限が2万円になっちゃうじゃないですか。差し引きゼロになるどころか、競争が停滞する方の要因になる可能性の方が大きいような気がする。

石川氏:ちょっと前だったら、解除料を負担してもらって、端末代金は0円で、商品券を付けてもらっても移らない人がたくさんいた。そういうことを考えると、ね。

石野氏:金額が問題じゃないんですよね。

石川氏:そう、お金云々よりも面倒くささの方が勝ってしまう。菅さんはそういったことを何も分かっていないんだなと感じた。だから総務省としても、現実的な落としどころがあったにも関わらず、そうせざるを得なかった。しかも会合で最初に説明すると、たぶんひっくり返される可能性があるということで、あえて事前にリークして、しかも土曜日の記事に出るようにリークして、1000円という情報が週末に流れるように仕組んでいたと思う。高度な情報戦が繰り広げられていたなと思った。本当に姑息。
 関係者はすごくイラついています。自分はその前の週、アメリカ出張だったんですけど、そこに「こういうネタの記事、どうですか」というリークまできた(笑) まぁ、本当に1000円ありきで動いている感じがしたし、結果として混乱するだろうし。プロセスとしては誰も納得しないだろうという気がする。

石野氏:政治家の人気取りに使われている。

石川氏:参院選のためにゴリ押しした。そこに尽きるのかな。

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