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凍結精子は宇宙でも問題なく生き延びる、スペイン研究機関発表

2019.07.13

凍結精子は宇宙でも問題なく生き延びる、スペイン研究

宇宙で生殖補助医療を受けられるようになる日が、少しだけ近づいたかもしれない―。凍結保存されたヒトの精子は、宇宙空間と同じような重力環境にさらされても、地球上で保管された場合と同様の機能を保てることが、デシェウス・ウイメンズ・ヘルス(スペイン)のMontserrat Boada氏らの研究で示された。

同氏らは「ヒトの精子を安全に宇宙空間に運び出し、宇宙に精子バンクを作ることもできるのではないか」と期待を示している。この研究結果は、欧州ヒト生殖医学会(ESHRE 2019、6月23~26日、オーストリア・ウィーン)で発表された。

Boada氏らは、10人の健康な男性ドナーから採取し、凍結した精子のサンプルを小型飛行機に載せ、機内が8秒間、微小重力環境になるような飛行を20回にわたって行った。

その後、これらの精子サンプルと地上で保管されていた精子サンプルの精子の数や運動率、DNAの損傷を受けた精子の割合などを比較検討した。その結果、2つの精子サンプルの間で精子の機能や状態に差はみられないことが分かった。

Boada氏によれば、微小重力環境が中枢神経系や筋肉、骨、血管、心臓に与える影響については、既に宇宙飛行での検証がなされているが、ヒトの精子や卵子への影響についてはほとんど検討されていない。

また、凍結していないヒトの新鮮精子のサンプルでは運動率が低下したとする報告がいくつかあるが、重力の違いがヒトの凍結精子に何らかの影響を与えたとする報告もないという。

ただ、今回の研究は予備的なものであり、結果は検証する必要がある。Boada氏らは今後、凍結精子サンプルを増やし、より長時間の微小重力環境にさらす実験や、新鮮精子サンプルを用いた実験を行う予定だ。

「今後、宇宙飛行の機会が増え、これまで以上に宇宙での滞在期間が延びるのであれば、長期的な人体への影響について調べる研究は重要だ。地球以外の場所での生殖の可能性について検討を始めるのも、決して的外れなこととはいえない」と同氏は話す。

また、今回の研究で凍結精子が用いられた理由には、新鮮精子は放射線による影響を受けやすいことが一因として挙げられている。

宇宙への飛行時間が長くなるほど曝露する放射線量も増えるとされる。Boada氏によれば、放射線を浴びるとヒトの精子の質や生存能力が損なわれることが明らかになっており、凍結精子よりも新鮮精子の方が放射線による影響を受けやすいと考えられているという。

今回は、宇宙空間と同じ重力環境で凍結精子サンプルを用いた実験であったが、Boada氏は「実現するのはかなり難しいが、実際の宇宙飛行で実験を行うのがベストだ」と話している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

(参考情報)
Press Release
https://www.eshre.eu/ESHRE2019/Media/2019-Press-releases/Boada

構成/DIME編集部

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