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南インドの小さな出版社タラブックスの「優しいまなざし」が世界を変える!

2019.07.13

本をおもしろく作って多くの人に読んでもらえれば「世界は変わる」

 本を作る時に彼女がイメージしているのは子ども達だという。「スマホを手にして本を手に取ることが少なくなった。そして世界は個人にとっては大きすぎて、かつ分断されていて、自分の無力さを感じてしまう世の中になってきた。そのやるせ無い世界に向き合うために、私たちは創造力の大切さや多様なものの見方をしていいということを、本を通して伝えたい」。そして「自分たちの活動を通じて『世界は捨てたもんじゃないよ』とインドだけでなく世界中の一人ひとりを勇気付けていきたい」という。

 ウォルフさんは「本はおもしろくないと手に取ってもらえない。小さな出版社で私達は粛々とやっていくわ」とさわやかに言い切る。むずかしく考えなくてもいいのですね!

『しゃっくり』という絵本には、「ブロックの上に乗ってバケツ一杯水を飲む」(上記)や、「マスタードをつけた自分の鼻を舌で触る」など本当のような嘘のようなしゃっくりを止める方法がいくつも描かれている。

『太陽と月』の独創的なイラストは、精緻で美しい色バランスで描かれている(動画で撮った展示イラスト)

 最後に日本について聞いてみた。「日本人の丁寧な暮らしはインドとは異なるがとても魅力的。そして同じアジアとして、インドと共通している部分もある。工芸品や日用道具などを大切にして使いこなしているのが素晴らしいので、それを学びたい。日本人はハードワークをこなし、一方でとても繊細なところがいい」そうだ。またチェンナイのオフィスに隣接したタラブックス直営書店には最近、多くの日本人が訪れて工房見学までしていくという。港湾都市チェンナイは東南アジアはじめ世界への物流拠点でもあり多くの日本企業が進出しているので、現地の日本駐在員やその家族が訪れているようだ。

 日本人との取り組みは絵本に限らず、例えば南インドで過ごした体験を現地の料理レシピと共にまとめた旅行記(『南インド キッチンの旅』:齋藤名穂)もタラブックスから出版されている。ウォルフさんは「今回の京都滞在中に、お寺で習字の筆さばきの素晴らしさを発見した」したそうだ。「引き続き日本人のアーティストとコラボレーションしていく」というので今後も楽しみにしたい。

 タラブックスの日本語版の本は書店で購入できるが、細見美術館のショップでは様々なグッズも手に取ってみることができる。大阪・梅田の蔦屋書店では7月21日までブックウェアを展開中だ。そして8月31日から10月6日まで福岡(三菱地所アルティアム)で同展が開催される。

美術館内のショップの絵本コーナー

 インドは、日本人にとって遠い国のひとつ。タラブックスの絵本、展覧会、関わる人々の思いやメッセージに触れることで、大人の私たちもインドをもっと知ろう。長い歴史があり、日本の10倍の人口を擁するインドに、私たちの気づかない視点や人生の楽しみ方を教えてもらえそうだ。

取材・文・写真/望月奈津子
日欧米のグローバル企業でマーケティングや広報に一貫して携わる中、10年間勤めたP&Gのインド人上司の影響で、日印の共創をミッションとするムーンリンク社を設立。インドを30回訪問して築いた信頼やビジネスネットワークと現地家庭の訪問や滞在での洞察を活かし、リサーチ、視察、研修等で企業をサポートしている。

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