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エッシャーが戦争から命懸けで守り抜いた画家・メスキータの回顧展が話題

2019.07.17

メスキータという画家をご存知だろうか。ほとんどの人が聞いたことがないと思うが、M.C.エッシャー(※)の師だ。
(※)マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)。「だまし絵」で知られるオランダ人画家。

昨年から東京を皮切りに始まった「ミラクル エッシャー展」が、先日愛媛で幕を閉じたが、東京では20万人以上の動員があり、人気の高い画家であることが改めて証明された。

そんなエッシャーの人生に多大な影響を与え、彼が命懸けで守り抜いてきた作品の画家こそが「メスキータ」である。

今年没後75年を迎え、版画約180点、その他(油彩、水彩など)約60点、総数約240点の作品を本格的に紹介する、日本初の回顧展となる「メスキータ展」が6月29日より東京ステーションギャラリーで開催されている。

『ヤープ・イェルスン・デ・メスキータの肖像』1922 木版 個人蔵

メスキータってどんな人物なの?

ポルトガル系ユダヤ人のサミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)は、オランダのアーティスト。画家、版画家、デザイナーとして活躍し、また美術学校の教師として多くの学生を指導した。教え子の一人であるエッシャーは、メスキータから最も大きな影響を受けた。

メスキータは主に木版画を製作し、人物や動物、植物を題材として白黒のコントラストを強調した作品を数多く残した。エッシャーの初期の作品には、メスキータの影響を強く受けたと思われるものが多数ある。

ユダヤ人であったメスキータは、1944年に強制収容所に送られ、家族とともに処刑されるという非業の最期を遂げた。しかし、アトリエに残された彼の膨大な作品は、エッシャーや友人たちが持ち帰って命懸けで保管し、戦後には作品の展覧会を開催した。今日までメスキータの名が埋もれることなく残っているのは、「メスキータ」の名前を命懸けで守ったエッシャーらの努力の賜物である。

メスキータ展で見ておきたい作品

『パイナップル』1928年、木版 個人蔵

「大変好きな作品」と東京ステーションギャラリー館長冨田章氏が語るのがこの、『パイナップル』だ。

パイナップルの「皮の形の面白さ」に関心を持ちつつ、球形の胴体が全て平面的に描かれている。

興味があるもののみにフォーカスを当て、現実と乖離しても構わないというメスキータの姿勢が顕著に現れた逸品だ。

【筆者の感想】
白と黒の明暗がはっきりした、力強い木版画には圧倒される。エッシャーの初期作品に大きな影響を与えていることがよく分かる。

『ファンタジー:月を見上げる人』1914年、鉛筆、水彩、紙 個人蔵

ほとんど無意識の状態で描いたとされる「ドローイング」。計画性なく描くドローイングは、緻密に計算された構成が際立ち、とても力強い印象を与える木版画とでは、全く別の画家の作品に見えるのも、メスキータの魅力の一つである。

【筆者の感想】
ドローイングは確固たるテーマがないので、見るものの想像を掻き立てて面白い。また、東京ステーションギャラリーの2階展示室は、むき出しとなった赤レンガの壁に作品が展示されているのも非常に興味深い。暖かみのあるレンガに木版画らが展示される光景は新鮮で、その雰囲気だけでも楽しめる。

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