安定した人気を誇るSUV。中でもミドルクラスは激戦区だが、2台のベストセラーモデルが独自の進化を遂げて注目を集めている。精度の高いクルマ造りをモットーとする2社の違いを確かめてみた。
毎月発表される新車販売台数の車名別ランキングは、相変わらずコンパクトカーや1BOX、トールワゴン系が上位を占めている。SUVも健闘はしているが、まだ上位に食い込むほどではない。
そんな中、ミドルクラスのSUVでがんばっているのがマツダ『CX-5』だ。2012年にデビューし、バランスの取れたスタイリングとクルマ造りに対する真面目な姿勢が評価され、今では世界110か国以上に輸出され、同社のグローバル販売の25%を占めるベストセラーカーとなっている。
マツダのクルマ造りの特徴は、既販車でもマイナーチェンジ(商品改良)が年1回以上行なわれていることにある。新たな装備や機能の開発が終わると即時に、商品に反映されるのだ。昨年も2月と10月に新技術が導入されたが、10月に改良されたのがガソリンターボエンジンだ。これにより、2.5Lのスポーティーな走りを得意とするモデルが追加された。
同時にハンドルを切った時や戻した時の制御を改良。高速走行時の車線変更や滑りやすい路面での安定感も高めた。ディーゼルはロングクルージング、ガソリンターボはワインディングでの走りが楽しめるSUVに仕上がっている。
電動モーターを搭載した『RAV4』のハイブリッド4WD
トヨタ『RAV4』は日本市場で、3年ぶりに復活を成し遂げた。初代は1994年に登場。当時のSUVはフレーム付き4WDが主流だったが、乗用車ベースの4WDという新ジャンルで成功。その後、2代目、3代目が登場したが2016年に生産を中止した。
だが、海外向けは、生産を継続。今回、日本市場に投入したのは米国版の5代目だ(日本では4代目)。ガソリンエンジンに加え、ハイブリッド車を日本に初めて投入し話題となった。ハイブリッド車の4WDシステムは「E-Four」と謳い前後輪用に1基ずつモーターを配している。
ボディーサイズは『CX-5』とほぼ同等。ただし『RAV4』の本命はガソリンエンジンで、こちらは新しい4WDシステムを導入している。4WDでハードな走行を行なう人は、ガソリンエンジンを選ぶのが正解。ハイブリッド車は都会派のSUVと割り切って使うといいだろう。
オンロード重視のガソリンターボ『CX-5』と都会派ハイブリッドの『RAV4』。はたしてどちらがベストな選択か?