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温暖化の新たな脅威!米デラウェア湾周辺で「人食いバクテリア」感染例が増加

2019.07.07

温暖化の新たな脅威、「人食いバクテリア」感染例が増加

気候変動によって暖かい海水が北上し、「人食いバクテリア」とも呼ばれる細菌が、米国デラウェア州とニュージャージー州に挟まれたデラウェア湾に流れ込んできていることが明らかになった。

米クーパー大学病院のKatherine Doktor氏らが「Annals of Internal Medicine」6月18日号で報告した。

この細菌は、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)と呼ばれるグラム陰性桿菌の一つ。創傷を起こすことから「人食いバクテリア」とも呼ばれている。

Doktor氏らによると、2017~2018年の間にデラウェア湾で計5人がこの細菌に感染したが、それ以前の8年間では感染例は1人にすぎなかった。

この2年間で、デラウェア湾周辺でビブリオ・バルニフィカスに感染した5人のうち1人は死亡し、それ以外の患者も複数回の手術を要する状態に陥った。

重症化して肘から先や膝から下の切断に至った男性患者もいた。「感染したらできるだけ早く抗菌薬を投与し、体内に細菌が広がらないように手術で感染した組織を切除する必要がある」とDoktor氏は説明する。

健康な人は感染しても重症になることはほとんどないが、肝臓病や糖尿病、腎不全といった基礎疾患がある人や免疫力が低下した人は重症化しやすく、注意が必要だ。

これまでの感染例では、皮膚の創傷などから細菌が侵入したり、汚染された魚介類を生で食べたりして感染したケースが多いという。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国のビブリオ属の細菌感染例は年間8万人で、死亡者数は年間100人と推定されている。

特に海水の温度が上昇する5月から10月に感染者数が増える傾向があるという。こうした細菌は暖かい海水中で生き延び、増殖するため、以前は南の海域で見つかっていた。

ところが、数年前からデラウェア湾に面した病院の救急外来にも、この細菌に感染した患者が運び込まれるようになった。

Doktor氏らが報告した感染例5人のうち4人は中高年男性で、カニを獲ったり、湾で獲れたカニを食べたりしていたことが分かった。残る1人はニュージャージー州のシーフードレストランで働いていた。

この細菌が皮膚の傷口から侵入すると、その影響は四肢に及ぶ一方、汚染された魚介類を食べると、消化管の感染や血流感染を引き起こす可能性がある。

「おおむね2~4回は壊死した組織を切除するための手術が必要になる」とDoktor氏はいう。なお、ビブリオ属の細菌が見つかる地域が北上しているのは米国だけではない。欧州ではノルウェーでもこうした細菌が確認されているという。

今回の報告には関与していない米ジョンズ・ホプキンス健康安全センターのAmesh Adalja氏は、今までほとんど報告のなかったデラウェア湾での感染例の発生を受け、「医師は、これまでは稀だった感染症に対しても適切な診断や治療を行えるように情報を収集しておくべきだ」と述べている。

なお、Doktor氏は、「肝臓に障害があるなど重症化リスクが高い場合を除けば、それほど心配する必要はない」としながらも、基礎疾患などリスク要因がある人は、カニを食べるときには手袋で皮膚を守ったり、生食は避けたりするよう注意を呼び掛けている。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://annals.org/aim/article-abstract/2736101/vibrio-vulnificus-infections-from-previously-nonendemic-area

構成/DIME編集部

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