
「北海道遺産」に無形財産として選定されている「北海道のラーメン」。なかでも「札幌のラーメン」は、「北海道三大ラーメン」の1つに数えられるほど、質・量ともに屈指のレベルを誇るという。
では具体的に、「札幌のラーメン」の魅力とはどんなところにあるのだろうか? 北海道のラーメンガイドブック『ラーメン1000』を発行し、先日はムック『札幌激旨ラーメン 麺と食材徹底解剖』を世に送り出したアイ・スリーの多田編集長に、そのあたりをお聞きした。
多様化しつつある札幌のラーメン
― 札幌のラーメンが、他の地域と異なる点や特色は何でしょうか?
多田編集長「札幌は寒冷地のためスープは熱く、比較的濃い味が好まれる傾向にあります。水質が良いのも特徴で、美味しいスープが楽しめます。関東のラーメン店主からは甘みを活かした店が多いと言われることもあります。以前は、味噌ラーメンがダントツで人気でしたが、昨今は味噌や縮れ麺にこだわらず、バラエティーに富む素材、多種多様な麺を使用する店も注目を集めています」
観光客も惹きつける旨み重視の店が増加
― 夏は札幌への観光客が激増しますが、観光地を1つ見送っても札幌ラーメンを食べるべきアピールポイントは何でしょうか?
多田編集長「それぞれの地方で、気候・風土に適したラーメンがあります。地域の特色を活かしたスープ・麺・具材を全て一体化させた“ラーメン”の美味しさは、その場所でしか味わえません。そこには、他の料理にはない魅力があります。
北海道では、味噌・醤油・塩の3つの代表的なラーメンを楽しめます。他県に比べ平均気温が低い札幌では、ラードを使用した熱々で、味がしっかりした味噌ラーメンが観光客にも人気です。道北は寒さがさらに厳しく、熱が逃げないようラードで覆われた旭川醤油ラーメン。比較的温度が高い道南の函館は、塩ラーメンが人気です。
北海道は、高品質で美味しい食材の宝庫です。近年札幌を中心とし、そうした道産素材にこだわる店も増え、札幌ラーメンはいまや日本屈指のレベルを誇ります。澄んだ空気の中で、ここだけでしか食べられない“味”を堪能して頂きたいです」
これからも進化する札幌ラーメン
― ムックを拝読しましたが、札幌のラーメンは、まだまだ伸びしろがあり、これからも進化してトレンドを牽引する存在であり続ける印象を持ちました。近い将来考えられる、そうした変化をどう予想しますか?
多田編集長「味噌ラーメンは札幌で生まれ、今や日本全国で知らない人はいません。北海道の食文化である、スープカレー、ジンギスカン、室蘭焼鳥など、北海道から広がった“食”は沢山あります。
昨今でも、海老をメインで使用した「海老ラーメン」(「えびそば一幻」さん等)から、花椒(ホァジャオ)を使用し“痺れ”をテーマにした麺料理(「175°DENO担担麺」さん等」まで、新たな発想力に溢れています。
また、北海道小麦等の素材・特徴を活かした、麺の技術力の向上も素晴らしく、各店のスープの特徴を活かしたものが続々と創出されています。
今後も北海道のまだ知られてない食材や、斬新な発想を活かしたトレンドが、札幌から生まれると思います」
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