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【2019上半期ヒット商品大研究】就航前から予約殺到!常識とは真逆の作戦で乗客の満足度を上げた全日本空輸「ANA COUCHii」

2019.07.28

 カウチシートはANAにとっても初めてであるとともに、シートを発注したドイツのZIM-flugsitz社(以下ZIM社)も初のカウチシートの受注となった。ZIM社との協議で苦労した点について、三井所さんは、「ANAがイメージしていたシートとシート会社から出てきたものの姿のギャップが最初は大きかったんです。シート会社にリクエストを出すと、その多くができないという回答です。妥協できない点の調整には時間を要しました。その中で技術的な知識を持つ(ANAの)技術部のプロジェクトマネージャーが間に入ったこともあり、最終的に自分たちが求めるシートを納品してもらうことができたんです」と語る。

 そういった粘り強い交渉もあり、シートにはANAらしいこだわりが随所に見られる。A380型機は、ボーイング747型機(ジャンボ機)と比べても機体が外側に広がっていることで窓側席がより広い。その特性を生かし、3名掛けの窓側のカウチシートでは壁にぴったり合うようにクッション性の高い枕を採用したほか、窓側の肘掛け(アームレスト)も上げられることでより広い空間を確保した。お客様目線で開発を進めた結果だ。機内プロダクトの企画を取りまとめるなど全体を統括する立場の牧さんは、ANAには中途入社で、その前は国内の内装品メーカーに勤務し、海外航空会社のエアバスA380の内装開発業務でプログラムマネージャーとして活躍、商社勤務を経てANAに技術系社員募集があり入社した異色のキャリアだ。A380のプロダクトを知り尽くした彼が、航空会社視点とサプライヤー視点の両方を持っていたことが今回役立った。

ニュージーランド航空世界で初めてのカウチシート「スカイカウチ」を導入したニュージーランド航空。成田・関西ーオークランド線にも搭載され、子供連れを中心に利用も多い。

ニュージーランド航空のサポートが大きかった

 シート会社の協力はもちろんだが、カウチシートのノウハウを持つニュージーランド航空の協力も大きかったと三井所さんは話す。カウチシートを開発したニュージーランド航空はアイデアに対する国際特許を持っており、ANAは使用する特許料(パテント)を支払っているが、今回の導入において積極的に協力してくれた。客室乗務員のオペレーション、予約システム、空港ハンドリングなど幅広い範囲に及び、ここでは三井所さんの現場や収益管理の部門での経験が生かされた。

 迎えた5月24日の初便。トラブルはなくお客様も笑顔だった。搭乗していた三井所さんも、カウチシートに寝ている子供が爆睡している姿を見て安心したと笑顔で語る。

 しかし余韻に浸ってばかりはいられない。牧さんによると、初便が飛ぶ時にはすでに次のシート開発が始まっているらしい。お客様目線のシート開発にこれからも励む。

カウチシートはココが違う

カウチシートはココが違うカウチシート利用者には、ファーストクラスで使用されているのと同じ素材のマットレス、ビジネスクラスの枕が提供される。レッグレストはボタン操作で上げることができる。

ウミガメ「HONU」ウミガメ「HONU」が機体に描かれたエアバスA380型の特別塗装機「FLYING HONU」。7月1日以降は2機体制で成田ーホノルル線を週10往復飛ぶ。

粘り強い交渉も、他社からの学びも、お客様目線の開発のため

ヒットの方程式

取材・文/鳥海高太朗

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