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2019.07.04

いま「テクノロジスト」に求められるのは強い倫理観と人間観

暗号資産の基礎技術として使われ、インターネット以来のインパクトとも言われるブロックチェーン。どこが新しいのか、そして、それと向き合うテクノロジストには何が求められるのか。最新技術やトレンドを、広く社会に伝えるコミュニケーターとしても活躍する、脳科学者の茂木健一郎氏に訊いた。

時代の渦のなかにブロックチェーンがある

 新聞などでは、「分散型台帳技術」などと呼ばれ、暗号資産を支える基礎技術として知られるブロックチェーン。茂木健一郎氏は、その技術そのものを指す狭義の意味のほかに、ブロックチェーンを取り巻くコミュニティの文化、そして広がり方などが、従来のテクノロジーと違って全く新しいと感じている。

「僕が体感している時代の温度感、空気感でいうと、ブロックチェーンの新しさは、ウィキリークスのようなものでさえ、ああしたアプローチを古く見させてしまいます。ウィキリークスのような手法って、なんか気づかれないように、隠れてやっている感じなので」

 茂木さんのいう、ああしたアプローチとは、国家や大企業などを標的にして、その裏側を暴くなど、白日のもとに晒せば社会は良くなっていくというある種の楽観的な考えのこと。いま私たちが直面している社会の課題は、もっと根が深く深刻であると茂木氏は考える。

「いま地球規模で世界を見ると、たしかに貧困率は落ちているし、教育を受けている人は増え、議会制民主主義の国に暮らす人も多くなり、その意味で人類が進歩しているけれど、その一方で、多くの人がよりよい生活をしていることで地球環境の破壊が行なわれている。そうしたことへのアンチテーゼとして、ロンドンでExtinction Rebellion(絶滅への反抗)のような運動が起こったり、グレタ・トゥーンベリさんというスウェーデンの女の子が地球温暖化対策を呼びかけるなど、とても楽観的に考えれられないのが、いまの時代なんだと思う。

 そのど真ん中というか、時代の渦のなかにブロックチェーンがある感じがしていて、この動きは敏感に感じてほしいと思っています」

 そのうえで、インターネットの黎明期からある、ある種の理想主義についても抑制的であるべきと考えている。

「今年のTEDに行ったときに、みんなが言っていたのは、インターネットが出来てきたときには、もっと世界が自由になって、いい場所になる、と啓蒙的に捉えていたけれど、実はディストピアになっている。

 ブロックチェーンも、仮想通貨が出てきたときにはすばらしい、新しいことが始まると思われていたけれど、ある種の部分はバブルで、流出事件などを通じてリスクがあることも知った。その一方で、(アメリカの)西部開拓時代のような、独特の雰囲気があって、どんな風になっていくのかその先が見えない。

 とにかく現在進行中の事象なので、1か月後には、ぜんぜん違った状況になっているかもしれないけれど、何か新しいものを生み出しそうな感じがするね」

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