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2019.07.03

なぜ浸透しない?企業が従業員にテレワークをさせることに対して抱く不信感の要因

テレワークは、働き方改革によって推進されているが、経営側にとって従業員の姿が見えず、評価がしづらい、サボっているのではないかなどの懸念もあるといわれる。

そうしたテレワークの不信感の原因を、株式会社リンクアンドモチベーションの代表取締役会長 小笹芳央さんに聞いた。

テレワークの不信感の原因は?

従業員にテレワークをさせることに対して企業が持つ不信感。その原因は、企業が組織を“要素還元的”に考えているからだという。

「極論を言えば、全社員が自分に切り出された仕事をテレワークできちんとやることで、企業としての業績が上がるというのは、『要素還元主義的』な考え方です。個々人が楽しく、働きやすさや便利さを追求して、制限を取り払って働けることが良いといった『要素還元』では組織は成り立っていきません。個人の働きやすさ、便利さを重視しつつ、組織の『成果創出の追求』も実現する、そのバランスが重要になります」

テレワークの「成果創出の追求」も実現するために

では、小笹さんの言う「成果創出の追求」とはどのようなことを指すのか。

「組織を協働システムとして考えると、テレワークであっても、上司への相談や別の部署の人への依頼が必要なこともあります。人と人の『間』が大事であり、一人ひとりを結ぶ線が大切だと考えます。その線がフェイス・トゥ・フェイスであることが大事なときが結構あるのではないでしょうか」

その施策の具体例として、リンクアンドモチベーションの社内で実施されている、「デザインアドレス制」が参考になる。

「当社ではフリーアドレスではなく、デザインアドレスにしています。固定席ではなく、個人が自由に席を選べる『個人の働きやすさ』を担保しながら、『組織としての成果創出』をしやすいように部署ごとのエリアは決めています」

大事なのはやはり、バランスだという。

「『個人の働きやすさ』に注力しすぎると、組織としては、バラバラになり統率がつかなくなります。同じく『組織の成果創出』ばかりに注力しすぎると、個々人のモチベーションは低下します。大事なのは、振り子を振りながら統合をはかっていくことです」

とはいえ、テレワークについては、まだ小笹さん自身も「見えないデメリット」を多く感じているという。

「テレワークには、組織としての強みや尊さ、面白さのようなものが失われるといった、目に見えないデメリットがまだまだありそうだと感じています。当社でも仕組みとして、テレワークを活用できるようにしていますが、基本的にはオフィスに来て仕事をすることを前提としています。急遽育児のために自宅で仕事をしなければいけなくなった場合など、個々人の事情に即してテレワークを許可しています。ただ、テレワークでもストレスなく働けるように、Web会議システムなどのツールは充実させています」

テレワークは、経営側の不信感の原因と対策は明確になりつつあるものの、まだまだ見えない部分があるのが現状のようだ。

【取材協力】

小笹 芳央 (おざさ よしひさ)さん
株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長
1961年大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートに入社し、人事部で採用活動などに携わる。組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員などを経て独立。2000年に株式会社リンクアンドモチベーションを設立し社長に就任。13年から現職。モチベーションエンジニアリングという同社の基幹技術を確立し、幅広い業界からその実効性が支持されている。
著書に、『会社の品格』(幻冬舎新書)、『松下幸之助に学ぶ モチベーション・マネジメントの真髄―ダイバーシティ時代の部下の束ね方―』など多数。新書籍に『モチベーション・ドリブン』がある。

取材・文/石原亜香利

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