その歴史は、よく比較対象となる株式と比べて浅く、まだ20年ほどしか経っていません。日本国内で株式を保有している人口が、1000万人(人口に対して10%)を越えている。といわれているのに対し、日本国内におけるFX人口は、およそ40万人~50万人ほど、つまり日本の人口の0.4%前後です。
日本の人口の99%以上が利用していないFX。しかし、その中には「FXを始めてみたいけど、よく分からないし、リスクが心配……」という人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんなFXがよく分からず、専門用語などもあまり詳しくない初心者の方に向けて、FXの始め方を紹介していきます。
※なお、本記事はあくまで「FXの始め方」を解説したものであり、「必勝法」や「損をしない方法」を解説したものではありませんので、ご了承ください。
【参考】なぜ普及しない?認知率は8割でも利用経験者は1割以下というFXの実態
そもそもFXとはなにか
そもそもFXとは、外国為替証拠金取引(Foreign exchange)のことで、海外ではForexと呼ばれることもあります。株式が企業の株を購入するのに対し、FXとは通貨。つまり国のお金を売買し、損益を出します。
1998年の外国為替及び外国貿易法の改正によって、証券会社などが取り扱いを開始し、日本でも急速に市場が拡大しました。
【参照】経済産業省外為法
FXとは? 初心者にもわかるFXの仕組み
例えば1ドル=100円の時に、10万円を出して1000ドルを購入したとします。
そして1ドル=110円になった時、手持ちの1000ドルを売ります。
すると1000ドル×110円=11万円が手元に戻ってきます。
元のお金が10万円でしたから、プラス1万円となります。
このように「通貨を安く購入し、高くなったら売る」ことを為替差益といいます。しかし反対にマイナスになる場合もあります。
例えば1ドル=100円の時に、10万円を出して1000ドルを購入したとします。
そして1ドル=90円になった時、手持ちの1000ドルを売ります。
すると1000ドル×90円=9万円が手元に戻ってきます。
元のお金が10万円でしたから、マイナス1万円となってしまいます。
このようにFXは株と同様に、マイナスになってしまうことも考慮しておきましょう。
FXのスプレッドとは?
スプレッドとは買値と売値の差のことで手数料のようなものです。値はFX会社によっても異なります。
例えばドル円のスプレッドが3銭だったとして、その時の相場の価格が買値が1ドル=100.00円、売値が1ドル=99.97円であった場合、ドル円を買ってすぐに売るとこの差分「3銭」がスプレッドとして引かれるので、損となります。
FXのスワップポイントって何?
上記で紹介したのは為替差益による収益の上げ方でしたが、FXにはもう一つ、収益を上げる方法があります。それはスワップポイントと呼ばれるもので、これは外貨を持っているだけで、資金を増やす方法のことです。
利率の高い外貨を持ち、預金しておけば、金利によって増収が見込めるというわけです。
外国為替証拠金取引(Foreign exchange)以外のFXとは?
この記事にて説明したFXとは、先述した通り、外国為替証拠金取引のことですが、他の業界でもFXという言葉があります。検索する際などは注意しましょう。
医療用語のFXとは?
医療用語でFXとは、骨折/嚥下障害のことを指します。
音楽業界のFXとは?
音楽業界でFXとは、エフェクトの略語のことです。
初心者でもわかる! FXの始め方
それでは初心者の人でもわかる、FXの始め方を紹介していきます。
FXの始め方! 口座の開設から始めよう
FXをはじめるには、まず口座を開設しなければなりません。口座開設から取引開始の大まかな流れは以下のとおりです。
1.各FXを取り扱っている企業(主に証券会社)のWebページを開いて、申し込みフォームから必要事項を入力します。
2.マイナンバーや本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)の写真を提出します。
3.審査通過次第、郵送で書類が届きます。
4.Webページにログインし、入金して取引が始まります。
FXの始め方! 初心者は少額から始めよう
FX初心者はまずFXの「流れ」や「傾向」を体感した方が良いかもしれません。
ですから、最初から高額で取引を始めるのではなく、一番初めは少額で、リスクを最小限に抑えながら始める方が良いでしょう。
また、後述しますがFXは元本以上のお金を支払わなければならないことがあるので、注意が必要です。
FXの始め方! 学生でもFXはできる?
FXは社会人しかできないと思っている人も中にはいるのではないでしょうか。実はFXは学生でもできます。もちろん審査等はありますが、学生だからとって100%審査が通らない。ということはありません。
FXの始め方! スマホからFXはできる?
FXをやっている人のイメージはどのようなものでしょうか? 複雑なチャート図が映し出されたディスプレイと睨めっこ。というイメージの人も中にはいるのではないでしょうか。実はFXはパソコンが無くても、スマートフォンのアプリから取引できるのです。
FXの始め方! 楽天証券の入門講座
FXの始め方や仕組みなどをもう少し深く理解したい! という人は、楽天証券のWebサイトに分かりやすい入門講座がありますので、こちらから勉強するのも良いかもしれません。
【参考】楽天証券
初心者におすすめのFX
この項目では、初心者の人にもおすすめのFXの通貨や手法などを紹介します。
初心者におすすめ! FXの通貨ペアは?
初心者の人におすすめの通貨ペアは、為替収益によって利益をあげたい場合と、スワップポイントによって利益を上げたい場合と異なります。
まず為替収益ですが、これは短期間で複数回取引をし、利益を生み出そうとする手法です。従って上記で説明した「スプレッド」が狭い通貨ペアを選ぶことをおすすめします。スプレッドが広い通貨ペアだと、複数回の取引で引かれる差分が多くなってしまいますが、スプレッドが狭い通貨ペアなら、極力差分を抑えられます。
またスワップポイントによる利益獲得におすすめの通貨ペアですが、これは大前提として「安定している通貨(国)」を選ぶようにしましょう。長期的な運用が必須となるスワップポイントでは、通貨の安定性がとても大切です。
また当然ですが、スワップポイントの高い通貨ペアを選ぶようにしましょう。極端な話ですが、年間10万円のスワップが貰える通貨と、年間100万円が貰える通貨なら、後者のほうがより高い利益が見込めるというわけです。
FX初心者におすすめの手法
FXは基本や用語を勉強したからといって、必ず勝てる! というものではありません。「必勝法がない」のがFXです。ですから、初めは少額から取引を開始して、市場のトレンドや動向を掴んでから、徐々に取引額を上げていく手法が良いかもしれません。
またFXの特徴の一つに、元本が少なくても、元本以上の金額で取引できる点があります。これをレバレッジといいます。レバレッジは、使い方によっては、大きく収益をあげられますが、反対に大損失となる可能性をはらんでいますので、利用する際は十分注意してください。
FXのレバレッジとは?
レバレッジとは、和訳すると「てこ」のことです。これを用いることによって、実際のお金よりも高い金額で取引ができます。レバレッジは自身で数値を決められますが、個人の場合その上限は25倍です。
これだけだと少し分かりづらいかもしれませんので、具体例を見ていきましょう。
例えば、元金として10万円用意したとします。
為替レートは1ドル=100円とします。
ドルを購入するにあたり、レバレッジを使い10万円で25倍(250万円)相当のドルが購入できます。
こうすることにより、本来1000ドルしか購入できなかったところ、2万5000ドル分を購入できます。
これによって何が起こるかというと、僅かな為替レートの変動でも、損益が大きく変わるのです。
1ドル=110円となった場合、手持ちの2万5000ドルを売れば、275万円となり、プラス25万円の収益となります。
反対に1ドル=90円となった場合、手持ちの2万5000ドルを売れば、225万円となります。この場合、マイナス25万円となりますが、元の証拠金は10万円でしたので、さらに15万円の差分をFX会社に支払う必要が出てしまうのです。
損した上にさらに支払いを追加しなくてはいけないため、投資家に大きな負荷がかかります。
このようにハイリスクハイリターンになりかねないのがレバレッジを使ったFX運用なのです。
ちなみにFXには、証拠金以上に支払うことを避ける「ロスカット」という機能があります。
手元の証拠金がマイナスになる前に強制決済するもので、投資会社のリスクを減らすための措置です。
しかし、このロスカットは相場が乱高下すると決済が間に合わない場合もあります。
FX初心者におすすめの本はある?
FX関連の書籍は数多く出版されていますが、おすすめはあるのでしょうか?
実際、Amazonなどでも複数の「初心者向けFX本」を確認できますが、購入の際は書店等で中身を確認してからが良いでしょう。「必勝法」や「100%負けない方法」といったものよりも、まずは専門用語や予備知識など、丁寧に解説してくれている本がおすすめです。
FX初心者の失敗談
大きな収益を見込めるFXですが、もちろん大きな損失にもなり得ます。
この項目ではネット上にある、FXの失敗談を1つ紹介します。
魅力的なFXですが「こういった危険性もある」ということを十分考慮しておきましょう。
FX初心者の失敗例
サラリーマンとして働いていたAさんは、副業としてFXをはじめました。初めは興味本位で始めたFXでしたが、徐々に慣れていく内に収益も増大していき、ついには何千万円もの利益を獲得しました。
Aさんは結婚し、FXで得たお金を元に家を建てたり、車を買ったりしました。そして会社を辞め、FXを本業としたのですが、本業とした途端に負けが続き、結果としてAさんは、サラリーマン時代に稼いだお金も含めて、全財産を失ってしまいました。
他にもFX関連の失敗談は、ネット上にたくさんあります。
もし気になる人がいたら、調べてみてはいかがでしょうか。
文/高沢タケル
※データは2019年6月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※本記事は投資を推奨する目的はありません。あくまで自己責任・自己判断でご利用下さい。