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首と頭を冷やすと「もらいあくび」をしなくなるって本当?

2019.06.20

VR世界では我々はまだ人目を気にしない?

 前出の実験では、アクビをしている人物のビデオを見ることでもアクビが伝染することもまた示されているのだが、とすれば単なるビデオよりもより臨場感溢れるVR(仮想現実)空間では、さらにアクビがうつりやすくなるのだろうか。

 VRの世界の中で目にする他者のアクビもまた伝染する力が秘められているのだが、そこにはなかなか興味深いメカニズムがあることが最近の研究で報告されている。VR空間でうつったアクビは人目を気にせず豪快に(!?)やらかしてしまうというのである。

 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究チームが2019年1月に「Scientific Reports」で発表した研究では、もらいアクビの反応が現実とVR世界では異なってくるという興味深い研究結果を報告している。

 研究チームは実験参加者にVRヘッドセットを装着してもらい、VR空間の中でアクビをする人物の映像を見せたのだが、もらいアクビをした割合は39%で、現実空間でのもらいアクビの発生率(30〜60%)の範囲内にあることが確かめられた。

Indiana Public Media」より

 現実の文脈の中では通常、もらいアクビはあまり行儀のよくない行為であるとして、ソーシャルな場においては口を手で覆ったりなるべく大きく口を開けないように抑え込んだりするものだが、VR空間の中では周囲に人がいてもアクビを抑え込むことはほとんどないというやや意外な発見がもたらされた。

 試しに研究チームはVR機器を装着した参加者に今実験室には当人以外にも人がいると伝えたところ、ヘッドセット着けているので現実に人がいるのかどうかわからない状態であっても、VR空間の人物からもらったアクビを抑え込もうとする動きが見られたのだ。現実空間の他者の存在が、アクビを抑えようとする行為に影響を及ぼしていることになる。

 もらいアクビの“感染度”は現実もVRも変わりはないのに、もらった後に“人目”を気にする度合いが現実とVRでは大きく異なっていることが示されたのは興味深い。臨場感溢れる迫真の体験ができるVR世界だが、まだまだ我々は心のどこかでこれは現実ではないと感じているということだろうか。

 今後技術的にVRの世界がさらにリアルになった場合、はたしてこの違いがどこかの時点でなくなってくるのだろうか。そうした意味でもVR技術の進歩に引き続き注目していかなければならない。

文/仲田しんじ

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