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なぜ中小企業は働き方改革で成果が得られないのか?

2019.06.20

2019年4月より、働き方改革関連法案の一部が施行され、大企業だけではなく中小企業にも待ったなしの課題として対策が迫られています。
では、中小企業の働き方改革への取り組み状況はどうなっているのでしょうか。

各行政機関やコンサルティング会社などが公表している実態調査をいくつか拾ってみると、「働き方改革に取り組んでいる」とした割合が、大企業は60~80%、中小企業では30~40%といった状況のようです。それぞれの調査は、調査方法や時期、対象などが異なっているので正確な比較はできませんが、大企業に比べて中小企業では取り組みが遅れているということは間違いないでしょう。

一方、政府は働き方改革を通じて目指すゴールを、「一億総活躍社会」の実現で国全体の生産性を上げることだとしています。ということは、日本の労働人口の約7割を占める中小企業で働く人材が活躍できなければ、働き方改革の成功はありえないといってもいいでしょう。

従業員一人当たりの労働生産性(年間平均)は、大企業が1,323万円、中小企業が553万円

こうした実態に対して、私たち中小企業はどう対応していけば全従業員が活躍でき、幸せな人生を送ることができるのでしょうか。そのために、まず中小企業は大企業と同じように働き方改革に取り組んでもうまくいかないということを認識しておいた方がよいでしょう。

その理由は2つあります。

一つは、大企業と中小企業の生産性の差、もう一つは組織構造の差です。大企業と中小企業の生産性は約2.4倍の開きがあります。2018年版の中小企業白書によると、従業員一人当たりの労働生産性(年間平均)は、大企業が1,323万円、中小企業が553万円です。

次に組織構造の差です。大企業は組織の役割分担がきちんと決められていて、社員一人の受け持つ仕事の範囲が決められていて専門性が高いのに対して、中小企業では社員のみならず社長や経営層も一人何役もこなさなければならないという組織構造になっているということです。

では、この2つの差が働き方改革に取り組む場合どのように影響するのか、その手法の一つとしてよく取り上げられるテレワークで考えてみましょう。ある大企業と中小企業、それぞれがテレワークを導入した場合どうなるでしょうか、想定される状況と結果を考えてみました。

中小企業の働き方改革は、生産性の向上に取り組むことから手をつけるべき

ある大企業は、テレワークで有名な第一人者のコンサルタントに依頼し、導入に取り組むこととしました。コンサルタントからアドバイスを受けながらシステムの導入やテレワークで効果を上げるための体制も整えます。また、社内的には専任担当チームを編成し、テレワークが定着し効果を上げるまで、計画的に取組みが順次行われます。これら一連の取り組みにかかる予算には5000万円近くを投資しました。

一方、ある中小企業では社長が直接テレワークのセミナーに参加し、考え方や手順を学び導入を決定しました。予算は100万円程度で、できるだけコストを抑えようと試行錯誤します。しかし、なかなか思うように進まず市の派遣で安く利用できる中小企業診断士に依頼して仕組みを整えました。

結局、大幅に予算をオーバーしてしまい約350万円かかってしまいました。テレワークで業務に従事する社員とのやり取りもなかなか思うようにいかず、本人ばかりか他の社員のストレスの増大やモチベーションの低下につながってしまいました。見てきたように、中小企業では、大企業と同じように働き方改革に取り組んでも期待される効果が得られないどころか、逆に生産性を下げるだけという場合もあります。

では、中小企業の働き方改革はどうやって進めればよいのでしょうか。それは、生産性の向上に取り組むことから手をつけるべきなのです。もちろん、法的に求められる残業時間規制や有休取得などは十分満たすのが大前提です。しかし、これらの対策のあとは、会社全体の生産性を上げ、テレワークや短時間勤務、フレックスタイムなどの働き方改革対策を行います。

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