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【開発秘話】シリーズ累計95万個売れているコクヨのテープカッター「カルカット」

2019.06.18

シーソーのように動き、テープ残量の減少に追従

 前例のないクリップタイプのテープカッター。「クリップタイプにすることがそもそも難しいものでした」と堀さんは振り返る。構造に起因する特有の難しさがあった。

 特有の難しさとは、テープが減っていくと本体とテープの間に隙間が生まれてしまい、ガタツキが生じてしまうこと。テープが少なくなると安定せず、キレイにきれなくなってしまう。

 テープ残量が少なくなってもしっかり保持でき、使いにくくならないようにするため、様々なアイデアが検討された。ベストな方法として採用されたのが、下側をシーソーみたいに動くようにすること。これにより、テープが少なくなっても隙間ができることなく保持でき、まっすぐ切ることができるようになる。

本体下側がシーソーのように上下。これにより、テープが少なくなっても隙間ができることなくしっかり保持でき、マスキングテープをキレイに切ることができる

 丸みを帯びたデザインは、テープに合うという理由から決まった。色についても、どんなものにも合うような淡いパステルカラーをチョイスした。

 つくった試作品は十数個で、モニター調査も社内・社外合わせて4回ほど実施した。「コンセプトが決まった後に使用感などを確かめるために実施した調査は、多く行なった印象があります」と堀さん。今までにない商品のため、どのような使い方をするかを確認するためにモニター調査を重ねた。

 モニター調査では「便利!」といった声が多く聞かれた。ただ、その一方で「滑ってしまう」といった声も多く聞かれた。この声を受け、下側の先端に複数の細かい溝を刻み、滑らないようにした。

 このほか、モニター調査では「説明しないとわからない商品」という声も聞かれた。見ただけでは使い方がわからないため、用途や使い方をしっかり伝える必要性を実感することになった。

人気に火をつけた『文具女子博』での大賞受賞。

 発売に当たり同社は、小売店に置いてもらいやすいよう什器セットを用意。一番目立つところに、使い方を表示するようにした。商品パッケージでは、表で装着方法が簡単にわかるようにし、裏で詳しい使い方を説明しているが、「什器セットではこの両方がパッと見てわかるように表示しました」と堀さんは話す。

店頭に置かれた『カルカット(クリップタイプ)』の什器セット

 小売店の反応は良かった。同社はセロテープ売場やテープカッター売場ではなくマスキングテープ売場に置いてもらえるよう働きかけたが、小売店ではそもそも、文具売場と雑貨売場のどちらが扱うかで取り合いになったところもあるほどだった。

『カルカット(クリップタイプ)』の人気を決定づけたのは、2017年12月に開かれた『文具女子博』で「文具女子アワード 大賞」を受賞したことだった。『文具女子博』は日本最大の文具の祭典。2017年12月の初開催で大賞を受賞し、大きなインパクトを残すことに成功した。堀さんは「大賞受賞の反響は予想以上に大きく、TwitterやInstagramを見ると、多くの人に購入していただいたことが実感できました」と振り返る。

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