
2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、医療ニーズは今後ますます増大する。
一方、その重要な担い手である医療者は、長時間労働や不規則な勤務形態、賃金不払いの残業など、過酷な勤務を余儀なくされているのが現状だ。
そこでクイックは、平成30年賃金構造基本統計調査(厚生労働省、2019年3月29日公表)の結果から「看護師」に絞って平均年収等を分析。
一般に「給料が高い職業」とされる看護師だが、実際は、全職種平均をやや下回っているほか、他職種に比べて年収の伸びも小さいことが明らかになった。
看護師の平均年収・給料の最新データ
看護師の平均年収(※1)は479万9300円。このうち、女性看護師のみに限ると、478万4700円となる。
一方、全職種の平均年収は497万2000円、全職種女性平均は382万6300円。圧倒的に女性が多い職業である看護師。
女性全体の中で見れば、看護師の平均年収は高いものの、男性を含めた全体平均で考えると、決して高年収とは言い切れないことがわかる。
※1)平均年収は所得税や社会保険料などを控除する前の額で、超過労働給与(時間外手当・深夜勤務手当・休日出勤手当など)や通勤手当などを含む
看護師の年収は50代前半でピーク、各年代の差は少ない
看護師の平均年収を年齢階級別に見る(※2)と、20代後半から50代まで、あまり大きな変化がなかった。
この傾向は全職種の女性平均でもみられ、結婚・出産・子育てなどが女性の年収の伸びに大きく影響している。 一方、いわゆる新社会人を含む「20~24歳」の平均年収は、看護師が389万8200円、全職種が321万4500円、全職種女性平均は304万9800円。「20代の年収が高い」ことは、看護師の収入の特徴といえそうだ。
※2)女性看護師のみの集計
女性の職種別ランキング
女性の平均年収について職種別(※3)に比較すると、看護師は16位。
※3)平成30年賃金構造基本統計調査の129職種を比較し、サンプル数が10未満の職種を除外
関連情報/https://www.kango-roo.com/
構成/ino