
アメリカでは、ベジタリアンやビーガン(肉類、魚介類の他、卵や乳製品も一切とらない菜食主義者)が急増しています。
調査会社「Global Data」の報告によると、2014年にビーガンであると主張した消費者はアメリカ全土でたった1%にすぎませんでしたが、2017年にはその数は6%にまで増加しました
ビーガンに人気の「フェイクミート」
肉を一切摂取しないビーガンをターゲットに、アメリカではフェイクミート(植物肉)が人気です。
豆類など植物だけを使用して作ったフェイクミートの中で、メジャーなブランドと言えば「Beyond Meat(ビヨンド ミート)」と「Impossible Burger (インポッシブル バーガー)」。
ビヨンドミートは、2011年にロザンセルスで創業したベンチャー企業が開発した商品で、大豆やエンドウ豆などを主原料に植物だけを使用し、見た目も味も本物の肉そっくりな商品です。
現在、ホールフーズやターゲットなどメジャーなスーパーをはじめ、全米17,000店で販売されています。またフライデーズなどのレストランにも商品を供給しています。
日本でも三井物産が輸入することが報じられ、話題となりました。
「Impossible Burger (インポッシブル バーガー)」は、スタンフォード大学の生化学者パット・ブラウン名誉教授がCEOとして率いるシリコンバレーのベンチャー企業が開発した商品です。約130人いる社員の3分の2が科学者であり、牛肉の味に近づけるため分子を解析するなど、5年をかけて開発したというユニークなエピソードもあります。
2019年4月に、ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」とコラボし、インポッシブル バーガーの肉を使ったハンバーガー「Impossible Whopper(インポッシブル ワッパー)」を試験的に販売開始したことでも話題になりました。
Photo: https://grist.org/
実際にフェイクミートを食べてみた!
日本では入手困難な「フェイクミート」をホールフーズで購入し、実際に食べてみました。今回調理したのは「ビヨンドミート」
見た目は赤色をしており(ビーツで色付けしているとのこと)、本物の肉と区別がつきません。
フライパンで焼き始めて気になったのは、油の量とニオイ。かなりの量の油が出てくることに加え、少し変なニオイがしました。
原材料を見るとキャノーラ油、パーム油など様々な種類の油が使用されています。このせいでしょうか?
焼き始めること10分程度。なかなか焼き目がつかないため、不安に思ってパッケージを見ると、「色は変わらないので焼きすぎ注意」と書かれています。完全に焼き過ぎてしまったようです…。
バンズにはさみ、ハンバーガーにして食べてみました。
味も食感も確かに本物のお肉にそっくり!言われなければ、お肉だと思ってしまうほど。
美味しくいただきましたが、気になるのは調理していた時に感じた油の量。これは本当にヘルシーな食べ物なのか?と疑問に思い、フェイクミートが健康に良いかをハーバード大学の研究者である天野先生に伺いました。