ナイフのカスタム&メンテナンス
調理やクラフトで使っていると、ナイフはだんだん切れ味が鈍ってくる。現場で簡単にタッチアップで切れ味をよみがえらせるには研磨剤を使えばいいそうだ。
ペースト状の研磨剤を薄い板に塗布して乾かしておく。これをナイフといっしょに持ち運べば、いつでもどこでもタッチアップができるというわけ。砥石よりも軽く、持ち運びやすいのがメリット。
砥石同様、刃を当てて角度に注意してスライドさせる。これだけで切れ味がよくなった。
すべりにくいモーラナイフだが、木製のハンドルなら少しずつ薄く表面を削ればよりグリップ力が増すそうだ。腕に自信のある人はチャレンジしてもいい。
ナイフのシースで人工呼吸
森の中でトラブルがあった場合、すぐに救急隊員がやってくるとは限らない。細かな判断はできないものの、人工呼吸と心臓マッサージ、止血の方法くらいは覚えておくといざというときに役に立つ。
ナイフのシース(さや、ケース)を使えば人工呼吸も安心して行えるという。
カンスボルのシースはプラスチック製で、先端に水抜き穴が付いている。ヒモを通して持ち運んでいる場合は、ヒモを抜いて口に当てて空気を送り込むだけ。これなら感染症の不安なく人工呼吸を行える。ブランドンさんによると、カンスボルのシースは、長さも直径もちょうどいいのだという。
ナイフを使うシーンは思った以上に多い。危険だからと遠ざかるのではなく、道具としてナイフを使いこなせるようになると、もっとキャンプが楽しくなりそうだ。
日本でも「モーラナイフ・アドベンチャーinジャパン2019」が7月7〜5日に開催される(7月1〜3日は同じ会場でデイブ・カンタベリーによるパスファインダースクール・ジャパンを開催。)。ナイフの可能性を追求したい人は参加してみては。
取材・文/大森弘恵