ハイエンドDAP VS ハイパワーアンプ、音はどう違う?Astell&Kernのフラッグシップモデル「SP2000」と「SP1000 AMP」の実力検証
2019.06.18
■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
Astell&Kernから『SP1000』の後継となるフラッグシップモデル『A&ultima SP2000』と、『SP1000』専用のアンプ『SP1000 AMP』が発表された。『SP2000』の特長は電流増幅型になった旭化成エレクトロニクスの最新DAC「AK4499EQ」をデュアルで搭載していること。『SP1000』専用アンプの『SP1000』AMPはハイゲインでバランス出力10Vrmsを実現。
DAPの音を決めるのはDACなのか、それとも出力段のアンプなのか。もちろんどちらも大切なのだが、実際に聴いてみるとどう違うのだろうか。
Stainless steelは解像度重視、Copperは優しい音色
Astell&Kernのフラッグシップシリーズは、筐体にアルミ合金以外に、Stainless steelとCopperを使った特別仕様モデルが登場。もちろん、価格も高額になっていた。しかし、『SP1000』からはStainless steelとCopperがレギュラーモデルとなり、同一価格となった。これが『SP2000』にも引き継がれている。硬度の高いステンレス鋼は不要な振動を抑えて、タイトでクリアー、解像度が高く分析的な音。柔らかい素材の銅は重さが増して、響きが豊かになり音色はウォームになる傾向があった。
『SP2000』の両方のバージョンを試聴してみると、素材による音の傾向は、『SP1000』よりも少ない印象を受けた。どちらも低域から高域まで解像度が高く、音の輪郭がクッキリしていて、細かい音まで再現される。比較すれば銅の方が響きが豊かで、女性ボーカルが柔らかい。Stainless steelはハイスピードでキレ味鋭い音だ。『SP1000』ではどちらの素材にするか、かなり悩むところだったが、『SP2000』では最後の味付け程度の違いなので、好みのデザインで選らんでもいいと思う。
Astell&Kernのフラッグシップは第4世代の『SP1000』から、ガラリと変わった。今回の『SP2000』は正常進化でデザインも音の傾向も『SP1000』の発展系だ。
クールなイメージのStainless steel。古くからのAstell&Kernファンにはお馴染みの色だ。
Copperは限定仕様のように見えて所有欲をそそる。Stainless steelと価格は同じなのでハイコスパ感もある。
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