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2019.06.08

新開発の「遺伝子リスクスコア」で肥満リスクを予測可能に、米ブロード研究所発表

遺伝子リスクスコアで肥満リスクを予測できる?

新たに開発した遺伝的リスクスコアにより、将来、肥満になるリスクを判定できる可能性があることが、米ブロード研究所および米マサチューセッツ総合病院のAmit Khera氏らによる研究で明らかになった。

同氏らは、体重に関わる200万個を超える遺伝子変異の情報に基づき、リスクスコアを算出するツールを作成。

複数の観察研究の参加者でその精度を検証した結果、リスクスコアが上位10%の人では、下位10%の人に比べて平均体重が約14kg重く、重度肥満になるリスクが25倍に上ることが分かった。研究の詳細は「Cell」4月18日号に掲載された。

Khera氏らはまず、最新の計算アルゴリズムを用いて、体重に関わる210万個の遺伝子変異のデータに基づき、個人が肥満に与える遺伝情報をどの程度持っているのかを数値化する、「ポリジェニック・スコア」と呼ばれる遺伝的リスクスコアを算出するツールを作成した。

次に、英国および米国で行われた4件の長期にわたる観察研究の参加者を対象に、この遺伝的リスクスコアの精度の検証を試みた。

なお、このうち3件の研究は若年期から中年期の成人を対象とし、1件は小児を対象としたものであった。

その結果、遺伝的リスクスコアが高いほど体重が重い傾向がみられた。特に重度の肥満になるリスクは、リスクスコアが上位10%の群で最も高かった。

米国の若年成人が、今後27年間で重度肥満になる確率は、リスクスコアが上位10%群の16%に対し、下位10%群では約1%にすぎなかった。

ただ、Khera氏らは「体重は遺伝要因と環境要因が複雑に関与して決まるため、この遺伝的リスクスコアの結果が全てとはいえない」と強調する。

しかし、重度の肥満には、明らかに遺伝要因が強く影響することから、「肥満に関わる遺伝要因の重要性について理解を深めることは有用だ」と同氏は述べている。

一方、今回の研究には関与していない米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のRuth Loos氏は、この遺伝的リスクスコアの価値に懐疑的な見方を示している。

同氏によれば、体重や肥満には遺伝要因と環境要因が半々の割合で関与しており、「今回の研究で用いられたリスクスコアは、その一部を説明するものにすぎない」と指摘する。

その上で、「たった一つの遺伝的リスクスコアで肥満リスクを正しく判定することはできないし、そうした情報は人々に誤解を与えかねない」と付け加えている。

Khera氏によると、この研究では、遺伝的リスクスコアが高いことによる肥満への影響は、早ければ3歳の時点から現れ始めたという。

しかし、リスクスコアが最も高い群であっても、多くの人は肥満にはならないことも分かった。

そのため、Loos氏は「このリスクスコアの精度は、家族歴を上回るものではないのでは」と指摘。

リスクスコアの判定結果が、必要以上の不安を与えてしまう可能性や、リスクが低いと判定されたことで食生活や運動を軽視するようになることに懸念を示している。

Khera氏も、この遺伝的リスクスコアを実際に活用するには、いくつかの課題があることを認めており、「今後、このツールの活用法については慎重に検討していく必要がある」と述べている。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(19)30290-9

構成/編集部

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