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1本15万円也!阪神淡路大震災を乗り越え、24年の歳月の熟成で変化した奇跡の日本酒

2019.06.06

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

100年に誇れる1本をテーマに高付加価値のプレミアム日本酒を開発するSAKE100

 日本酒に特化したスタートアップ企業Clearが運営する日本酒ブランド「SAKE100(サケハンドレッド)」は、非日常のシーンで輝く日本酒をテーマに醸造パートナーと組んで“ヴィンテージ日本酒”を開発している。

 高付加価値、高価格のプレミアム日本酒として3種類をリリース、オンラインのみでの販売。フラッグシップ商品の「百光(びゃっこう)」(1万6800円/税込・送料別以下同)は、山形県の楯の川酒造と開発した純米大吟醸。世界的なワインコンテスト「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」でゴールドメダルを受賞。高難易度の加工技術「精米歩合18%」で作られた、上品な香りとシルクのように繊細でなめらかな味わいが特徴。

 石川県の数馬酒造と開発した「深豊(しんほう)」(6800円)は、耕作放棄地を開墾し育てた米を使用した純米酒。ワインでの「テロワール」の価値を持つ。「生酛造り」で醸造した搾りたてのフレッシュさが楽しめる。

「天彩(あまいろ)」(7300円)は奈良県の美吉野醸造と開発したデザート日本酒。山廃をベースとした日本酒を仕込み水の代わりとして使い、数度繰り返し醸造して蜜のような濃厚でとろける甘みを生み出した。

阪神淡路大震災を生き残った酒母を使った奇跡の日本酒「現外」

 第四弾として5月23日より発売されたのが、兵庫県の沢の鶴が製造する500mlで15万円(アルコール度数14.5%)の「現外-gengai-」。2019年は100本限定で製造、販売するが、4月5日より開始した予約販売分10本は12時間で完売した。

「現外」は24年熟成というヴィンテージ日本酒だが生い立ちにストーリーがある。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災によって、神戸・灘五郷にある老舗の沢の鶴も大きな被害を受けた。多くのタンクが倒壊した中で、倒壊を免れたタンクの1本にあった酒母(日本酒のもと)を使い、清酒にして熟成していたものが「現外」だ。

「当時の状況を知る者に話を聞くと、蔵関係者での死者が3名出た大惨事であり、蔵の中はタンクが倒れたり、酒が流れ出たり、がれきや粉じんも多く、酒造りはもうダメかもしれないという気持ちで被害の状況の把握に努めたという。しかし震災後2日後には出社できる者は蔵に戻り、出入りの業者さんも手伝いに来ていただき蔵を片づけ始めた。

 奇跡的に残ったタンクに入っていたのが日本酒のもとになる酒母。一般的な酒造りでは酒母を作った後、水、蒸米、麹を加えて発酵を進めるもろみ造りという工程に移るが、醸造施設が被災しており、酒母の状態から清酒にするしかないという状況だった。今までやったことのない方法だったのでどうなるかわからなかったが、酒は育てるものでもあるため、その状態でタンクに寝かせていた。

 当時は酸味が非常に強くて飲めるものではなく、こうした状態が20年近く続いた。毎年味の変化はチェックしてきたが、商品化できるとは考えていなかった。しかしこの5年ほどで味が変わりはじめ、酸味が取れて飲みやすい味に変化。甘味、酸味、旨味が複雑に絡み合う稀な味の酒に育った」(沢の鶴・宮﨑氏)

「現外は常温熟成。常温の熟成酒は振れ幅が大きく、バランスが悪かったり、いい熟成はしていても味が重すぎる、もったりと口に残るということも多い。『現外』は特殊な酒母搾りで酸味が強いが、逆に長期間の熟成でもフレッシュな味わいを残すことができた。

 一定まで熟成すると分子の結合によって色や味わいがさわやかに変化する。24年という熟成で濃さが極まったというより、極まった濃さに透明度が乗ってきたという印象だ」(Clear代表 生駒氏)

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