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ファーウェイ問題の本質はどこに?冷静に考えたい「安全保障上のリスク」と対処法

2019.06.07

【短期集中連載】ファーウェイショックの本質3
冷静に考えたい「安全保障上のリスク」

 ここ数年、クローズアップされてきた米国と中国の貿易摩擦。昨年あたりからはお互いに追加関税を課すなど、貿易戦争の様を呈してきているが、その影響は私たちが普段、利用するスマートフォンにも拡がろうとしている。なかでもこの1カ月、急速に状況が変わってきたのがファーウェイ製品だ。テレビや新聞などでも報じられ、ニュースなどでもさまざまな情報が飛び交っているが、実際のところ、何が問題でこれからどうなるのだろうか。モバイル業界を長年取材してきたジャーナリスト、法林岳之氏がこの問題の本質を解説する。

ファーウェイショックの本質1:Googleが取引停止、新端末の発売延期の裏には何があった?

ファーウェイショックの本質2:貿易交渉のカードとして使うにはあまりに大きいその代償とは?

安全保障上のリスクはどこに?

 ところで、米国は一連のファーウェイ排除の根拠として、「安全保障上の理由」を挙げているが、本当にファーウェイ製品を利用することについては、何らかのリスクがあるのだろうか。ファーウェイは携帯電話ネットワークの基地局などの設備とスマートフォンなどの端末などを手がけているが、それぞれに内容が異なるので、分けて考えてみよう。

 まず、携帯電話ネットワークの設備については、昨年末、米国がファーウェイ製の基地局設備などを米国内だけでなく、日本をはじめとする同盟国にも採用しないように働きかけたという報道があった。これは設置した通信設備から情報が抜き取られるリスクがあるという考えに基づいているが、現在の携帯電話ネットワークの設備から特定の情報だけを抜き出すという行為は、そう簡単にできるものではない。

 たとえば、昨年12月、ソフトバンクの上場記者会見において、同社CTOの宮川純一副社長は「実際に基地局などで情報を抜き取れるものなのか?」という問いに対し、「現在の4Gネットワークでは難しいのではないか。少なくとも私の能力ではできない」と答えている。もちろん、世界には数多くの技術者が居るため、宮川副社長の答えがすべてではないが、少なくとも国内のモバイル業界において、もっとも技術や構造に精通している一人が答えていることを考えると、「そう簡単には抜き取れない」というのが実状だろう。ただし、宮川氏は「5Gネットワークになると、ネットワークそのものの構成が変わるため、抜き取られる可能性があるかもしれない」とも答えており、そのことを踏まえて、米国は5Gネットワークからファーウェイを排除したいと考えたのかもしれない。

 一方、スマートフォンについてはどうだろうか。ファーウェイ製に限らず、かつて中国製スマートフォンについては「裏で情報を抜いていて……」的なことを言われることがあり、昨年末の騒動では国内でも「分解したら、余計な部品が見つかった」などといった報道が伝えられたり、今回も海外で「ファーウェイのスマホにバックドア(侵入するための裏口)が仕掛けられていた」というニュースが報じられた。

 しかし、これらの一連の報道は、実際に見つかった内容の詳細がほとんど明示されておらず、その多くが憶測や伝聞によって、報じられている。なかでもバックドアについては、もし、本当に存在するのであれば、世界各国のセキュリティベンダーが指摘したり、端末を検証した結果を公開しそうだが、そういった情報は何も伝えられていない。なかにはソフトウェアの脆弱性(不具合)が見つかったことについて、これをバックドアと位置付けている報道もある。

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