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本当にお得なのか?ドコモ「スマホおかえしプログラム」とauの新料金プランを徹底検証

2019.06.09

割引後の料金表記は問題

石川氏:表向きは割引を付けた金額を表記している。

法林氏:あれは突っ込むべきだね。auがプランを3つ出したのは良いことだと思っているけれど、割引を反映した価格をメインに掲示したのはルール的にアウトだと思う。

石川氏:どのキャリアもそうですよ。

石野氏:ドコモも同じなんですけど、ただ、ギガホの表記は、キャンペーンの割引は含めていたんですけど、ドコモ光セット割は含めていなかった。なんでそこを遠慮するんだろうって思った。

法林氏:ユーザーが誤認してしまうから、こういう表記は良くないということはモバイル研究会で言っていた。こういうことに対しての提言はもっと早く出すべき。販売方法をどうしたこうしたというのは、そんなに大事なことじゃないと思う。

石野氏:確かに、価格表記について話し合われたことは、あまり反映されていないですね。

法林氏:全然。キャンペーンの割引や、1年間だけ安くなる料金は、カタログ上には入れてはダメって言えばいいわけですよ。そういうルールを先に作るべきなのに。

石川氏:たぶん、そのあたりはこれらかやり始めると思うんですよ、でも、それってまた対策が遅いんですよね。典型的なのが各社の通信速度の比較。ドコモは一生懸命出しているけれど、あんなの誰も興味ないよってことになっているじゃないですか。以前、通信速度の競争があって、ちゃんと測りましょうよということになってやっているけれど、もう誰も興味ないという状態になっている。

法林氏:速いのはドコモだけになっちゃっている。

石川氏:たぶん、この料金プランの表記の仕方も、これから北さん(有識者会議のメンバーで野村総研の北氏)とかが言うと思うんだけど。

石野氏:料金の表記の仕方について、北さんはだいぶ前から指摘していて、でも全然反映されないんですよね。まぁ、あれは本当は消費者庁案件のはずなんですけど、縦割りで連携がうまく取れていないってことがあるのかなと。

石川氏:うん。人のことをとやかく言う前に、行政側がちゃんと連携取れよってことかな。

法林氏:スマホを作るのもアメリカ1国で作れるわけじゃないのと同じで、総務省1つでスマホの売り方すべてをコントロールできると思っているとしたら大きな間違い。グランドデザインをきっちりやるべきなのに、細かいところばっかり手を突っ込んで成果が上がっていない。端末の値段がどうのこうのと言っているけれど、例えば10年後、自動運転のクルマができました、5年の残価設定ローンで買っていただければ、家族のスマホ4台分が付きます、というようになるかもしれない。誰がそこに文句を言うのか。自動運転のクルマにはどうしてもスマホが必要ですといったら、誰がコントロールするかってこと。スマホはクルマの周辺機器だとなったら、それは国土交通省案件、もしくはハードウェアとして考えたら経産省案件じゃないですか。グランドデザインを考えないとダメな話。考え方を変えていかないと。

石川氏:先日、テレビの討論の番組で言ったんですけど、将来的なことを考えたら“5G法”みたいなものを作らないといけない。5Gに関することは全部その法律でやると。5Gはいろんなものにつながっていくので、総務省だけでなくて、経産省、国土交通省とかとも横断的に関わるような法律がないと、この業界は法律がないから何もできないという状況になってしまう。その辺、将来的なグランドデザインを引いてやるべき。端末の売り方がどうこうというのは、別にどうでもいいかなと。むしろ口出しすると足を引っ張って、こんなに横並びになってしまうので、センスのある行政が求められていると思います。

法林氏:センスがないと思うよね。

石川氏:この3社の状況を見るとね。

ドコモの端末価格が他社より安い理由

石川氏:スマホおかえしプログラムの導入でドコモがすごくがんばったなと思ったのが、端末の値段が安いこと。

石野氏:驚異的な安さですよね。

石川氏:謎の安さでしょ。ソフトバンクとKDDIは48回割賦の24回分が免除される。ドコモは36回割賦のうちの12回分が免除されるので、免除される額は少なく見えるけれど、元々の端末代金が安くて、プログラムのオプション料金もないので、他社とトントンくらいになっているんですよ。その帳尻合わせがすごく上手いなって気もするし、ひんぱんに端末を買い換える人からすると「端末はドコモで買えばいいか」ってことになっている。

石野氏:悔しいけど、あの価格を見ると、あれ、分離プランっていいんじゃないかなって(笑)

石川氏:世の中の常識的に、分離プランでは端末の負担が増しますという話だったけど、そうじゃなくなる流れかなと。分離されたことによって端末も安くなるという。

石野氏:ドコモががんばっちゃって端末が安くなっちゃった。「Xperia 1」なんて、ソフトバンクと3万円くらい違う。

ソニー「Xperia 1」

石川氏:あれ、ひどいよね。元メーカー関係者が言っていたんですけど、過去、ドコモは相当、高く盛っていたんですって。その人が言うには、iPhoneとの価格差を調整するために、Android端末を高く設定していたんだそうです。今回は高く盛っていた分を下げて安くしている。この先どうなるか分からないですけど、2019年6月1日にまた既存ラインアップの価格改定があるらしくて、今まで売っていた端末が安くなるし、iPhoneも安くなるんじゃないかという話がある。ドコモは端末価格で攻めるようになるかもしれない。だって「P30 Pro」が8万円前半っておかしくない?(※取材は5月17日)

法林氏:P30 Proはヨーロッパ向けで同じスペックのものが999ユーロなんですよ。日本円で換算すると12~13万円くらい。しかも日本向けはグローバル向けと同じモノじゃなくて、FeliCaとかネットワークが違うカスタムモデル。FeliCaはNFCと両用チップって話もあるんだけど、でも基本的にハードウェアは別仕様で作っているので、本来はもっと高いはずなんですよ。13万から14万円くらいだろうと予想していたのに。

石川氏:4割安い(笑)

法林氏:どう考えてもおかしい。ドコモのGalaxyはauより2万円くらい安い。Xperia 1は1万安い。

石川氏:ドコモのXperia 1はauより1万円安く、ソフトバンクより3万円安い。

石野氏:価格を見比べると、ソフトバンクがどの機種に盛っているかがよく分かる(笑)

法林氏:ドコモはすごく安くなっている。別の関係者によると、ドコモとしては、かなり薄利多売で、今まで載せていた分をギリギリまで削ったということです。例えば、SIMフリーで店頭で8万円くらいで売る端末があるとして、じゃあドコモに8万円で納めているかといったら、そんなことはないし、量販店に8万円で納めているかといったら、そんなことはない。原価というものがあり、そうすると卸値がある。実は卸値は、たくさん買うところが安いわけでもなく、少ないから高いわけでもない。値段が決まる条件は数だけじゃないそうです。Xperia 1はKDDIが一番多く買っているという噂もある。

石川氏:ドコモは2色しか出さないですしね。

法林氏:カラーバリエーションが多いauが自ずと台数も多くなる。ただし、値段が決まるのは台数だけじゃなくて、どの時期にどれくらい納入できるかみたいな話も関わってくる。例えば6月発売だけど、11月にもう1度納入してくださいとか、ちゃんとスケジューリングできるかどうかなども含めて、トータルで値段が来まるそうです。台数だけで値段が決まるわけじゃない。調達のタイミングとかも含めて決まる。とある端末も、より多く買ってくれる国のモデルよりも、日本向けモデルの方が安くなるケースがあるそうです。

房野氏:FeliCaを搭載したりと、コスト的には日本の端末は高いでしょうね。「Galaxy S10」はいくらでしたっけ?

法林氏:ドコモだと、S10が約8万9000円、S10+が約10万1000円。

石野氏:S10+はXperia 1(約10万3000円)とほぼ同じ値段。

房野氏:台数と価格が連動しないのは、どうしてなのでしょうか。

法林氏:単純に取引の問題だと思います。

房野氏:ドコモから「今期は戦略的に値段を下げたいので協力してくれ」と言われたとか?

法林氏:そういうこともあると思いますが。メーカーも高く売ればいいって話でもない。メーカーにとってのお客さんが誰かというと、本当は僕らユーザーだけど、直接的には納入先のキャリアさんになる。メーカーは、5Gとかも含めて将来的にキャリアとどういう付き合いをしていきたいかを考える。「A社にはいろいろお世話になっているのでこれくらいで、苦労させられるB社にはこれくらいで」みたいになりかねない。そこの交渉はすごく値段に影響があるみたいです。ドコモは今回、戦略的に相当粗利を削ったと発表会の質疑応答でも言っていた。

石野氏:あの質疑応答を聞いて、今まで相当乗せていたんだなと思いました(笑) しかもひどいことに、ドコモの決算を見ると、こんなに端末が売れなくなったといわれている中で、端末販売収入が上がっているんですよ。

石川氏:毎年上がっている。端末関連収入って数年前までは何百億円という赤字だったのが、2年くらい前から黒字になって、今は500億円とかの黒字。先日の決算会見で聞いたときは、料金の値下げで2500億円収入が下がったけれど、端末の割引がなくなることで端末関連の負担がなくなることで900億円プラス、docomo withの出費でマイナス400億円、トータルでマイナス2500億円だという言い方をしていた。

石野氏:さらに端末で儲けているんですよ。

石川氏:そう考えると、月々サポートがなくなるので、ドコモとしては端末に関する赤は出なくなり、薄い利益で十分やっていけるという状況にたぶんなるんだろうなと。端末関連では儲かる。

法林氏:決算の端末の利益の推移を、この先の予想も含めて見ると、先は一応減ることになっている。ここ2年くらい上がっているけれど。

石野氏:すごい上がっているんですよね。端末販売利益が増収要因になっていましたから。

石川氏:それでまた話が戻るんだけど、総務省のやっていることは正しいかってことなんですよ。端末の割引をなくすことによってキャリアは儲かるって話になる。あともう1つ懸念としてあるのが、ドコモは粗利を削ったというけれど、削った分はどうなるか。今まで端末の利益はおそらく代理店に行っていたような気がするんですけど、代理店の収入が減ってしまうんじゃないのかなという気がするし、端末に関するサポートも薄くなるんじゃないかと危惧しています。

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