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世界シェア2位のスマホメーカー・ファーウェイの禁輸措置はいつまで続くのか?

2019.06.10

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はファーウェイへの事実上の禁輸措置とその影響について議論します。

日本企業にも影響は及ぶ

房野氏:アメリカの商務省がファーウェイとその関連企業を「エンティティリスト」に加えたことで、事実上の禁輸措置ということになってしまい、大きなニュースとなっています。どうして今の状況になっているのか、簡単に説明していただけますか?

房野氏

石野氏:アメリカは、イラクや北朝鮮に対して輸出することで、間接的にそれらの国の経済を支援するのはけしからんという規制をかけています。それをファーウェイが破ったという疑惑があります。ファーウェイ自身は否定していますが、香港にあるダミー会社を経由してイランと取引したんじゃないかという疑惑が持たれている。ファーウェイの孟晩舟CFOがカナダで逮捕され、今もまだカナダに身柄が置かれたままですが、アメリカに移すかどうかで裁判をしている最中で、アメリカが強硬手段に出てきたという感じですね。ただし、それだけが原因ではなく、今回に関しては総合的な安全保障上のリスクがあるというのが建前になっています。

 今回、アメリカのエンティティリストにファーウェイの日本法人まで入ってしまった。いろんな迂回ルートを使ってAndroidを調達しようとしてもできなくなってしまう。すでに端末ができていれば、こそっと売ることはできると思うんですけど、各キャリア、MVNOはファーウェイ端末の発売を延期すると発表していて、本当に販売できるのかと。米中の問題が解決すれば済む話ですけど。まぁ、習近平がどのくらいがんばるかですよね、という感じ。

石野氏

法林氏:エンティティリストに載った企業に対して、製品やソフトウェアを輸出する場合に、米国の商務省の許可が必要になる。

法林氏

石野氏:そして、事実上、許可が下りたことがない。現状、インストールされていればいいんですけど……

法林氏:モデル単位で許可を得ているのか、現在の契約がどうなっているのかが分からないので、ファーウェイとGoogleの関係性がどうなっているかに寄る。

石川氏:アップデートもできなくなっちゃうから、そこって痛いんだよね。

石川氏

法林氏:ZTEが制裁を受けたときは、それが実は痛かった。アップデートサーバにつながらなくなってしまった。

石川氏:Googleとファーウェイの関係が絶たれてしまうので、サービス連携ができなくなる。となると、ユーザーにスマホを売っても、サポートをどうするか責任が取れなくなる。あと経済的に大きいのは、日本の部品メーカーとの関係が止まってしまうこと。去年はファーウェイに対して日本の部品メーカーは6000億円とか7000億円も売っているけれど、その売上が止まってしまうと部品屋さんにとっても痛いんじゃないかと思います。

法林氏:村田製作所とかソニーとか。「P30 Pro」のイメージセンサーはソニーのカスタムのセンサーなので。

P30 Pro

石野氏:痛いですね。ファーウェイの発表会も本当にやるのかと思っていました。

石川氏:過去を振り返ってみると、日本の多くの携帯電話メーカーが撤退し、中国メーカーが勢力を付けてきたと思ったら、今度は中国メーカーが梯子を外される状態になった。日本でどのメーカーのスマホを買えばいいのかという感じ。

法林氏:コメントが難しいな……何をもってして日本なのか、どこかの国なのか。今は一か所でモノが作れる時代ではない。アメリカにとっては、こういう規制は大事なことなのかもしれないけれど、果たしてそれがうまく作用するかどうかは微妙な気がしますね。

石野氏:中国が報復に出てきたら怖いですよね。iPhoneの輸出禁止とかになっちゃうと、中国の工場から出せませんという話になる。

石川氏:スマホ業界だと、アメリカと中国は持ちつ持たれつの関係だし、アメリカの企業も中国市場があるからやって行けている。アメリカは本当に自国の悪影響を考えているのかというのが疑問。

石野氏:あの関税の掛け合いもまさにそう。結果としてiPhoneが高くなってしまうと、迷惑を被るのはアメリカも含んだ世界中の消費者。端末の価格に関税分を転嫁しないとしたら、迷惑を被るのはApple。なんか大変な人が大統領になっちゃったなと。

法林氏:アメリカが排除したい国と地域に対しての支援を許さないというのが1つ。もう1つは、安全保障上のリスクを回避したいという考え方。本当のところはどうなのかということは、ここまで行ってしまうともう分からない世界。ただ、一般的なスマホの作り方から考えると、端末内にスパイチップが入っているというのは、だいぶスパイ映画の見過ぎかなって気がする。ただまぁ、ネットワークに関してはいろんな解釈がある。

石野氏:ネットワークもねぇ……

法林氏:スノーデン(エドワード・スノーデン:アメリカ国家安全保障局、CIAの元職員。米機密情報を暴露した)の話じゃないけれど、アメリカ自身が、世界でもっとも盗聴している国じゃないかと指摘されている。どれが正しくて、どれがいいのかよく分からないけど、のっぴきならない状況になりつつあることは事実。IT機器が先端なので問題になっていますけど、クルマでも同じ。トヨタは工場をアメリカに作らないとダメだとかいう話も散々やっている。ありとあらゆるものがそういう世界になると、経済的に面倒なことになりますよね。

石野氏:アメリカは鎖国状態に見えますよね。日本も安全保障上の理由とかでクルマがターゲットになっているんですよ。安全保障上といえば、何でも許されるのかという感じになっている。確かにクルマも軍事技術に応用することはできると思うんですけど、トヨタが戦車を作るわけないだろうっていう(笑)

法林氏:非常に難しい話。解決策が見えない。とりあえず中国の国家主席である習近平さんとトランプ米大統領とで話し合いをしてよって思う。

石川氏:そうですね。

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