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キャリアの料金プランの個性がなくなって横並びに!スマホの料金値下げ騒動、得をしたのは誰?

2019.05.26

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はドコモの新料金が及ぼす影響について議論します。

石川氏:結局、横並びになるんだよ。1つ前のプランは多様性があって選びようがあった。たくさん使う人はソフトバンク、家族はドコモ、中途半端なauみたいな。

石川氏

ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙氏

石野氏:中途半端はひどい(笑)

石野氏

法林氏:おひとり様あるいは若い人たち。

法林氏

石野氏:Netflixを観る人。

石川氏:Netflixが大好きな人はauという風になっていたのに、総務省が完全分離プランだといってドコモが変えたことによって、昔の7GB上限のときのような3社横並びになり、ピタッとくっついて同じになって硬直化する。そうしたら、また総務省が3社横並びでけしからんと言い始めるというのが目に見えてる。

法林氏:せっかく多様性があったのに。

石野氏:多様性があるプランだったら横並びにする、横並びになったら多様性を出せ、その繰り返し。

法林氏:総務省は「あなたたちはキャリアであって、端末の販売店ではないでしょ」という言い方をして、端末に関しての割引をすることは良くないことだと説明している。それは確かに分かるんだけど、「これをやっちゃダメ、あれはやっちゃダメ」と有識者会議からあがってくるネタは考え方が古いというか、硬直化している感がある。それがそのまま、今回のドコモの新料金プランに現れちゃっている感じがする。僕は、シェアパックは、考えようによっては理にかなっていた気がするし、あれを止めたのは致命的なミスだと思う。シェアパックがなくなることで「じゃあもう安いからMVNOとかY!mobileとかに行くよ」「僕はたくさん使うからソフトバンクに行くよ」みたいなユーザーが出てきてもおかしくない。

石野氏:逆の立場でいうと、MVNOはホッとしたと思う。

法林氏:個別にMNPで取りやすくなるよね。お父さんだけ30GBとかソフトバンクの50GBを選んで、子どもたちは今までシェアパックだったけれど、ギガホにするかギガライトにするか考えなきゃいけない。「面倒くさい、子どもはIIJにしなさい」みたいな感じになっちゃう。

石川氏:あと、長期ユーザーが冷遇されている感じがする。これを機会にドコモを止める感じにもなる気がする。

石野氏:今までは毎月ポイントをくれていたのに、誕生月だけになって、トータルのポイント量が少なくなっている。

法林氏:誕生月にまとめてもらっても困るんだけどという人もいる。

石川氏:しかも自分の誕生日は4月だし。

法林氏:(笑)

石野氏:僕は5月ですよ。最悪。丸々1年待たなきゃもらえない。

石川氏:長期ユーザーが冷遇されているんじゃないかと質問したら「それを含めた料金値下げだ」という言い方だった。それは理にかなっているといいつつも、ドコモの良かったところがすべてなくなってしまって大丈夫かなと。

法林氏:いろいろ言われたけれど、実はバランスが取れていたんだなって改めて思い直した。

石川氏:既存プランをみんなに理解してもらって、そこから値下げする努力をすべきだった。既存プランから値下げすればみんな納得したのに、新料金プランになってルールが変わったり、長期ユーザーが冷遇されたりして混乱しちゃうという。

法林氏:「シェアパックを一律1000円下げます」とか「1割下げます」とかで良かったと思う。その方がよっぽど良かったと思う。

石川氏:例えば、50GB設定のプランを1500円下げれば、みんな上のプランに行こうとするから、結果としてハッピーな気がする。

石野氏:それはたぶん、経営企画的に考えると、1か月の間に収益が絶対ドスンと落ちるので、株価を維持するためにはできないやり方。

法林氏:でも、5年、10年に1回の転換であることを考えると、それくらいのことをやっても良かったんじゃないかと思うけどね。金勘定を考えすぎたかなという気がする。意味不明な割引もある。ファミリー割引のグループは3回線以上で一律1000円割引。そのグループ内にドコモ光を契約している人がいたら、また全員1000円割引。それって何の因果関係があって1000円引いているんだろうって考えるわけですよ。

石川氏:それはソフトバンク対抗だなって感じがする。

石野氏:割とソフトバンクに近いですよね。

石川氏:ソフトバンクは実質1択。

法林氏:1択ですよ。50GBプラン(ウルトラギガモンスター+)しかない。

石野氏:ドコモは、ソフトバンクの「ミニモンスター」をちょっと使いやすくした感じですね。

法林氏:auのピタット/フラットプランが出たときには、ケースバイケースで選べるかなと思ったし、ソフトバンクのときは、使う人だったら50GBに行くよねと思った。今回のドコモの新プランは決めようがない感じだよね。

石川氏:7GBから20GBの人はどうしたらいいのって感じ。

石野氏:まさに僕ですよ。今まで20GBプランを契約していた人をフォローするプランがないんですよね。

法林氏:今回の件は、通信料金を高くすることで得た利益を、月々サポートのような端末割引で使うのはけしからんという指摘から、分離プランにしましょうという話になった。だけど、冷静に考えると、僕らが毎月使っているデータ量はだいたい余るじゃないですか。余って翌月に繰り越したけど、結局それも一部しか使わず捨ててしまうことがある。この部分がムダになっていると思っていたけれど、考え方によっては端末購入サポートとして僕らに還ってきていたとも言えるよなと。月々の携帯電話料金は後払いではあるけれど、払った金額まで使わないケースが結構ある。かけ放題も、カケホーダイプランの料金として2700円払っているけれど、今月話したのが全部5分以内だったとなれば、1000円分ムダになっている。そのムダはキャリアの儲けになるけれど、端末購入補助として僕らに還ってきても良かったよね。そういう世界の方が幸せだったんじゃないかと思い直しました。

石川氏:そこが儲けの要ですからね。

法林氏:総務省の着眼点が古いというか、有識者の考え方自体が古すぎる。

石川氏:有識者会議は野村総研の北さんを中心に「完全分離こそ正義だ、こうすれば料金プランは安くなる」と言っているけれど、分離プランが出て、通信料金が安くなっているかといったら、安くなっていないわけですよ。これで競争が起きるかといったら、たぶん起きなくて、ピタッとみんな貼り付くわけですよ。そうしたら誰が責任を取るのか。総務省は責任を取れるのかと。

石野氏:彼ら的には「だから楽天モバイルが……」と。

法林氏:下がらなかった分の金額はですね、毎年4200万円ずつ各研究室を通じて教授に渡っているわけですよ(笑) 一部で報道されたけど、下がらなかった分の金額はですね、各研究室などを通じて教授や有識者に渡っているわけですよ(笑)

房野氏:ドコモは料金プラン自体はシンプルになりましたけれど、割引がいろいろあって分からないという感じです。

房野氏

石野氏:そうなんですよね。結局、後から通話オプションを付けるので、基本プランの見せ方を変えただけだよねって感じもする。

法林氏:だったら、音声オプションは最初から全員適用でいいじゃんって。

石野氏:それをすると割高感が出ちゃうから。

法林氏:割高感のある、そのムダがきっとあなたの端末代金になるんですって(笑)ムダがあった方がいいんですよ。

石川氏:5000万人の携帯電話ユーザーがいるドコモで、みんながみんな納得できる料金プランをシンプルに作るのは無理。

法林氏:そうだよね。

石川氏:たくさん使う人もいれば、全然使わない人もいるので、同じ料金体系は不可能。だったら安い人向け、高い人向け、いっぱい使う人向けってならざるをえないし、その中でも電話する/しないとかもある。ユーザーがちゃんと勉強して、自分に最適なプランを見つけるしか答えはないんだなと思う。

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