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大迫はケガ、原口はチームの低迷に悩み、イングランド・スペイン勢も軒並み苦境!異彩を放つ長谷部の日本代表復帰はあるか?

2019.05.21

 18-19シーズン欧州リーグが続々と終焉を迎えている。5月12日にはイングランド・プレミアリーグが閉幕。ドイツ・ブンデスリーガも18日、スペイン・リーガエスパニョーラも19日にリーグ戦全日程を終えた。

停滞したプレミア日本勢、岡崎の新天地は?

 各リーグを簡単におさらいすると、まずイングランドはマンチェスター・シティがリーグ2連覇を達成。日本勢の所属クラブは岡崎慎司のレスターの9位が最高で、武藤嘉紀のニューカッスル・ユナイテッドが13位、吉田麻也のサウサンプトンが16位。いずれも欧州リーグにも降格にも絡まない結果となった。

 だが、個々の活躍度は芳しいとは言えず、岡崎が21試合出場(うち先発1試合)無得点、武藤が17試合出場(うち先発5試合1得点、吉田が17試合出場(うち先発17)無得点という状況。岡崎と武藤はジョーカー的な立場から抜け出せず、確固たる地位を築けなかった。吉田だけは11月以降、定位置を奪回したが、1~2月の2019年アジアカップ(UAE)参戦のためチームを空けている間に再び序列が低下。2月末からポジションを奪い返したが、シーズン終盤になって肺炎にかかり、3試合を欠場。後味の悪い終わり方になった。武藤と吉田は来季の巻き返しが期待されるが、岡崎は退団が決定。どこに新天地を求めるのかが気になる。33歳という年齢を考えると日本復帰の可能性もゼロではないだろう。

ドイツで異彩を放った長谷部

 一方のドイツは、バイエルン・ミュンヘンが17日の最終節で長谷部誠のいるフランクフルトを5-1で倒して7連覇を達成。日本人所属クラブでは、そのフランクフルトが7位で来季欧州リーグ(EL)予備戦出場権をギリギリのところで獲得した。大迫勇也のブレーメンはシーズン序盤こそ好調だったが、最終的に8位で終了。宇佐美貴史のいるデュッセルドルフも10位とまずまずだったが、原口元気と浅野拓磨が所属するハノーファーが17位、久保裕也のいるニュルンベルクが18位と揃って2部降格が決定してしまった。

 個人の戦績を振り返っても、2018年ロシアワールドカップ限りで日本代表を引退した長谷部はリーグ27試合先発出場で、ELもベスト4まで勝ち上がるなど、傑出した働きを見せた。ポジションもボランチと最終ラインを臨機応変にこなし、「かつて『皇帝(カイザー)』と呼ばれた元西ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアーのようだ」と賞賛されることも多かった。

 本人は「僕には彼のようなドリブル突破からのシュートはできない」と地元メディアに冗談交じりに語ったようだが、35歳でこれほど冷静沈着かつ安定感あるパフォーマンスができる選手は少ない。「もう1度、長谷部に代表に戻ってもらうべきだ」という意見も国内で出るほど、彼の輝きはすさまじいものがあった。もちろん代表との二足の草鞋を履くことがなくなり、ドイツでのプレーに専念できたから、ここまでの輝きを放つことができたのだろうが、今季欧州組で最も成功したのが35歳の最年長プレーヤーだというのは一抹の寂しさも感じられる。20代以下の選手たちには危機感を抱いてもらいたいものだ。

 長谷部に続く活躍度だったのが大迫だ。ロシアワールドカップ後に赴いた新天地・ブレーメンでは開幕から攻撃の主軸と位置付けられ、開幕直後の9月1日のフランクフルト戦でゴールを挙げるなど順調な滑り出しを披露。前半戦は悪くない状況だった。しかし彼の場合も吉田同様、アジアカップの影響を大きく受けることになった。大会直前に痛めた臀部痛がなかなか治らなかったうえ、序盤に再発。それでも準決勝・イラン戦から強硬復帰したことで、クラブに帰ってから長期離脱を強いられてしまった。

 結局、復帰したのは4月7日のボルシア・メンゲングラードバッハ戦。18日の最終節・ライプツィヒ戦でも貴重な先制点につながるPKを奪うなど、やはり重要度の高い働きをしていた。フロリアン・コーフェルト監督とクラブ幹部が日本サッカー協会に不満を抱くのも当然と言えるほど、大迫はチームに不可欠な存在だったのだ。今季リーグ20試合出場(うち先発14)3得点という数字は物足りないが、コンディションさえ改善すれば、来季は間違いなくやってくれるだろう。

 27試合出場(うち先発21)と数字自体は大迫を上回っている原口元気もチーム内での存在価値は大きかったものの、10番を背負いながら今季無得点に終わったうえ、チームが1年で2部落ちという結果は本人も納得できるはずがない。ハノーファーは2017年3月から指揮を執っていたアンドレ・ブライテンライター監督が解任され、トーマス・ドル監督が後を引き継いだものの、原口を生かした攻撃スタイルを構築することはなく、彼はハードワーク専門の選手ように使われた。そこも彼自身にとって不本意だったに違いない。

 ただ、今季移籍したばかりの原口が再びブンデス1部のクラブに移籍するのは困難と見られるため、来季は2部でのプレーを余儀なくされそうだ。17-18シーズン後半戦も2部のデュッセルドルフで戦った経験はあるものの、1年での1部復帰を義務付けられるのは非常に大きなプレッシャーだ。それは今季2部で戦ったハンブルガーSVの酒井高徳も痛感していることだ。その重圧と戦いながら代表でも結果を残せるのか。それとも異なる環境に赴くチャンスが巡ってくるのか。今後の動向に注目したい。

 その他、浅野は13試合出場(うち先発9)0得点、宇佐美は19試合出場(うち先発10)1得点、久保は22試合出場(うち先発15)1得点と揃ってゴールが乏しかった。彼ら3人はレンタル移籍であり、買い取りオプションが行使されないであろう点も共通している。宇佐美はJリーグ復帰がささやかれ、久保はヘント復帰、浅野は移籍先模索ということになりそうだが、年齢的に25歳前後と一番いい時期のアタッカーが揃いも揃って停滞しているのは日本代表にとってもいいことではない。このまま下降線を辿ることなく、来季以降に浮上できる術を見出してほしい。

日本人の鬼門スペイン、乾の奮闘に期待

 そしてスペインだが、すでにバルセロナが早々とリーグ制覇を決めている。今季は柴崎岳が所属するヘタフェが大躍進を遂げ、EL圏内の5位でフィニッシュ。乾貴士が1月にレンタル移籍したアラベスは10位、レンタル元のレアル・ベティスは11位だった。

 柴崎が今季の成功の原動力になっていれば喜ばしい限りだったのだが、リーグ出場実績は6試合(うち先発5)のみ。ゴールもゼロで終わってしまった。クラブ側は彼のサッカーに対する取り組みや姿勢を高く評価しているようだが、来季もこのままというわけにはいかない。実際、ロシアワールドカップに比べてアジアカップ時の柴崎のパフォーマンスがやや低下したと見る向きも多く、試合出場機会から遠ざかったマイナス面が代表にも出ていると言わざるを得ないのが実情だ。より多くの出番を得られる新天地が見つかればいいが、スペインにおける日本人選手の評価は必ずしも高くない。他のリーグを含めて移籍先を探すことになりそうだ。

 乾もアラベスに赴いてからは恒常的に試合に出られるようになり、シーズン実績は20試合出場(うち先発15)2得点という数字まで巻き返したが、最後は右足ネンザで3試合出番なしのまま。吉田同様、後味の悪い幕切れになり、本人もどこか不完全燃焼感が募ったことだろう。加えて来季の去就も判明していない。ベティスは売却を希望している模様で、アラベスが買い取ってくれれば来季もスペイン残留ということになるが、すんなり話がまとまるのか。日本人にとって「鬼門」での最後の砦となるべく、乾にはこの先も奮闘を期待したいものだ。

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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