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前立腺がんのホルモン療法で認知症のリスクが増加、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院

2019.05.19

前立腺がんのホルモン療法で認知症リスク増

前立腺がんの男性は、男性ホルモンの働きを抑えて前立腺がん細胞の増殖を抑制するホルモン療法(アンドロゲン抑制療法;ADT)により性機能障害や骨量減少、心疾患、肥満などのリスクが高まることが報告されている。

今回、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のKarl Tully氏らが実施した研究から、前立腺がんのホルモン療法を受けると認知症になるリスクが高まる可能性があることが示された。

この研究結果は、米国泌尿器科学会(AUA 2019、5月3~6日、米シカゴ)で発表された。

この研究は、メディケア受給者のうち1992~2009年の間に限局性前立腺がんまたは局所性進行前立腺がんと診断された66歳以上の男性10万414人(年齢中央値は73歳)を対象としたもの。

対象者を36カ月間、あるいは死亡するまで後ろ向きに追跡して分析した。なお、対象者の38%(3万7,911人)は診断から6カ月以内にADTを受けていた。

その結果、ADTを受けた男性では、受けていない男性に比べて認知症全体のリスクは22%有意に高く、特にアルツハイマー病のリスクは29%有意に高いことが分かった(いずれもP<0.001)。

また、ADTを受けた男性では、精神科の医療サービスを利用するリスクが15%有意に高いことも明らかになった(P=0.008)。

さらに、ADTを受ける期間が長いほど認知症リスクはより高まることも示された。ADTを7カ月以上受けた男性では、受けていない男性に比べて認知症全体のリスクは30%高く、アルツハイマー病リスクは41%高かった。

なお、前立腺がんに対するホルモン療法の副作用として、のぼせ(ホットフラッシュ)や情緒不安定、睡眠障害、頭痛、高血糖、アレルギー反応、性機能障害などが知られている。

今回の結果を受けて、Tully氏は「前立腺がんのホルモン療法は骨粗鬆症や心血管疾患、肥満といった身体面の問題だけでなく、認知機能にも変化をもたらす可能性がある」と結論。

「医師はホルモン療法を始める際には、患者に認知症リスクについて伝えるべきだ。また、定期的にスクリーニングを実施する必要があるかもしれない」と述べている。ただし、今回の研究は因果関係を証明するものではなく、「結果は慎重に解釈する必要がある」と同氏は付け加えている。

この研究には関与していない米レノックス・ヒル病院の泌尿器科医であるElizabeth Kavaler氏は「現段階では、患者に認知症リスクについて伝える必要はない」と話す。

同氏は「長生きをすれば誰でも認知症になる確率は高まるものだ。また、前立腺がん患者の多くは、認知症やアルツハイマー病の他のリスク因子を持っていた可能性が考えられる」とし、前立腺がん患者で認知症の増加が認められた原因はホルモン療法以外にあるのではとの見方を示している。

また、Kavaler氏によれば、前立腺がんの再発や進行に対して、ホルモン療法以外の選択肢は限られているのが実情だという。

そのため、同氏は、確たるエビデンスが得られるまで、自分の患者にはホルモン療法による認知症リスクの可能性については伝えないとしている。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.auajournals.org/doi/10.1097/01.JU.0000556191.85263.2c

構成/編集部

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