
中年諸氏に老親の健康状態を把握しているか尋ねると、
「いろいろあるけど、まぁ、元気にしている」
「血圧が高いので、薬を服用している」
など、それなりの答が返ってくる。ただ、その情報源は『本人がこう言ってた』が大半。詳細はあやふやなことが多いため、今後の介護問題を真剣に考えるなら、一度は「本当はどうなの?」と、掘り下げることを強くオススメします。
本人が理解していないことが問題
なぜなら、高齢者の中には病院に行くことで満足してしまい、そこで注意されたことなど「都合よく忘れる」人がいるからだ。筆者が実際に関わった人たちも、持病があり定期的に通院していても、大半は医師任せ。
血液検査の結果はただ「持っているだけ」。処方される薬の種類も作用も知らないまま服用。持病を悪化させないため「○○した方がいい」と注意されたであろうことも、右から左に受け流す。
医師に何か聞かれても、「ちゃんと運動しています」とか「塩分は控えています」など、本当はしっかりやっていないのに、優等生的な答をしているケースもあった。少々のことならともかく、度が過ぎると持病の悪化から介護問題に発展することもあるので、しっかり確認しておきたい。
逆に、医師の説明が下手すぎて(専門用語使いすぎor説明を省略)老親にまったく伝わっていなかったり、患者の質問を嫌う医師がいることも否定できない。そんな時は、大切な親をこの医師(病院)にまかせていていいのか、改めて考えたい。
手持ちの資料から判断
では、最初に何から手を付けるべきか?
(1)診察券のチェック
持っている診察券を全て出してもらう。その中から現在通院中の病院を聞き、何のために行ってるのか、どのくらいの頻度なのかをチェック。
(2)薬、お薬手帳、もしくは薬の説明書をチェック
薬名さえわかれば、詳細な情報はネットから引き出せる。
(3)血液検査などの結果表をチェック
読み方が分からなくても、問題のある数値には適正値を外れていれば「H」や「L」、「↑」や「↓」があるので、調べることができる。
(4)親が医師に聞きたいこと、確かめたいことがあるかを確認
不安に思っていること、知りたいことを聞けないままただ通院していることがないか確かめる。
(5)子どもである自分が主治医に話しを聞くことの承諾を得る
親子といえども、事前に承諾を得ることは、後のトラブル防止に必要。