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オードリー・ヘップバーンを見い出した〝コレット〟って誰のこと?

2019.05.20

■連載/Londonトレンド通信

 社会的にも成功している年上の夫に従ってきた若い妻が、年を経るうちに成長し、やがて夫とは別の道を歩みだす。

 離婚した妻の方に、少し前、再婚のニュースがあった日本の芸能人カップルの話ではない。ウォッシュ・ウェストモアランド監督/脚本映画『コレット』の実在した主人公、フランスの作家コレットのことだ。

 1951年のコート・ダジュールで、まだ駆け出しのオードリー・ヘップバーンが黒い水着姿でいたのを見て、「私のジジを見つけた!」と自作『ジジ』舞台化の主役に抜擢した逸話が有名なコレットだ。

 もちろん、それだけで有名なわけではない。作家としての功績でレジオン・ドヌール勲章を受け、亡くなった際は国葬となった。

『コレット』では、コレットがそれほどの作家になる前、美しい田園風景の中で育った少女が、結婚してパリに行き、作家となっていくあたりまでが描かれる。

 さて、ヘップバーン大抜擢の逸話からもうかがえる、好きなものは好き、良いものは良いと、自分の感覚に忠実で、それを表すことにためらいがないところは、コレットにもともと備わった気質のようだ。

 この映画でも、ウィリーとの関係の初期に、それが見て取れる。19世紀末当時、すでに有名作家だった14歳年上のウィリーと恋に落ち、結婚する20歳のコレットは、幸せいっぱいだ。素直にウィリーを尊敬し、導かれていくコレットは、文字通りの可愛らしい若妻である。

 だが、作家として才能があったのは、実はコレットの方だった。自身の体験を基にした小説を書き、ウィリーと2人で整え、ウィリーの著作として世に出したところ大ヒット、その後に続編が次々出される『クロディーヌ』シリーズとなった。

 ウィリーは作家というよりプロモーターとしての才に長けていたようで、『クロディーヌ』舞台化、ブランド化と成功させていく。また、華やかなことを好み、女性関係も派手だ。

 そんなこともあって、妻の書いたものを自分の名前で出すウィリーがうさん臭く思えるのだが、肝心のコレットは少なくとも当初そうは思っていない。ウィリーのおかげで作品として仕上がり、出すことができたと考えていたようだ。むしろ、ウィリーの方が内心では後ろめたさを感じていたふうなのが面白い。

 そうなっては先が見えている。コレットはウィリーと別の道を歩む際も、やはり自分に忠実だ。その忠実さで、結果的に波乱万丈な人生を送ることになる。女性を含めた複数の相手と恋を重ね、女優の経験をし、前述のように大作家になっていく。

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